tl_bnr_land

街から消えた「ご当地キャラ」「最近どうしてる?」と市民から疑問の声、行方を探すと…

京都新聞社 京都新聞社

 保育園児の次女が泣いていた。涙のわけは先月、本紙(京都新聞)に掲載されたとある記事だ。2026年春に京都市にある京都府警の川端、下鴨両署が統合されることで、お気に入りだった両署のカモのキャラクターも「姿消すかも?」と行く末を案じる内容だった。

 次女は以前参加した交通安全イベントで、キャラの着ぐるみとふれあったことがある。優しげな瞳の川端署の「かもばたくん」、くりくりした目の下鴨署の「シモガーモ」との思い出がまぶたに浮かんだのだろう。「やさしくしてくれたから、いなくなってほしくない」と思ったそうだ。以前の私なら「着ぐるみなんて…」とさめた目で見ていたが、次女の涙には「心配なんやね…」とうなずいた。

 地域おこしや団体のPRに生かされる「ご当地キャラ」や「ゆるキャラ」。「税金の無駄遣いでは」との批判はありつつも、地域の盛り上げやPRに一役買ってきた面はある。だが、キャラの盛衰は激しく、最近はブームも下火になっているようにも思える。

 京都府長岡京市でも消えたキャラがいる。「以前は『しろんちゃん』がいたのですが、最近はどうしているのか」。先日、読者に尋ねられた。2013年に誕生した同市のご当地グルメプロジェクトのマスコット。府の補助金を活用して「市の鳥」メジロをモデルにして作られた着ぐるみは、17年に実施団体が解散した後、表舞台から姿を消した。

 これまでの本紙の記事によると、しろんちゃんは徐々に露出が減って市役所のどこかに保管されたという。実物を一目見ようと事情を知っていそうな人たちに聞き込みをした。すると市役所を新しくする工事に合わせて数年前に「旅立った」、つまり処分されたという。着ぐるみは維持費がかかり、効果も求められる。事業とともに役目を終えるのは、キャラの「宿命」なのかもしれない。

 ただせっかく誕生したからには、長く活躍して住民に愛される存在になってほしい。記者の故郷・熊本県のPRキャラ「くまモン」は16年熊本地震の発生後、避難所を巡って被災者を励ました。事業や団体の宣伝にとどまらず、時には住民を励まし、地域への愛着や帰属感につながる可能性がキャラにはある。

 乙訓地域には、他にもキャラがたくさんいる。ぜひ奮闘を期待したい。そう願い、このコラムを書いた。ちなみに次女もカモのキャラへの思いを込め、知事に「おてがみ」を送ったそうだ。

(京都新聞洛西版記者コラム「思いの丈」より)

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース