家庭内別居が始まると、夫婦の行く末はどうなるのでしょうか。調査によると、家庭内別居を経験した夫婦の83%が離婚を選択しています。この記事では、家庭内別居の行く末として考えられるパターンや離婚までの期間、関係修復の方法、離婚を決意した際の準備について詳しく解説します。
家庭内別居の行く末は?離婚しかない?
家庭内別居に至るまでには、夫婦喧嘩や日常的なすれ違いなど、大小さまざまな要因が関係しています。一度始まった家庭内別居は、夫婦関係にどのような影響を与え、最終的にどのような結末を迎えるのでしょうか。
家庭内別居の行く末として考えられるパターンは、主に次の3つです。
・関係を修復する
家庭内別居状態になっても、夫婦双方の意識が変わることで、関係を修復できる場合があります。家庭内別居を解消するきっかけは夫婦によってさまざまですが、相手に対して関心を持ち、気長に対話を続けることが関係修復につながりやすいようです。
些細な会話でも続くようになれば、家庭内別居の行く末にも希望が持てるでしょう。冷却期間を経て、改めてお互いの存在の大切さに気づく夫婦も少なくありません。
・どちらかが家を出て別居する
気持ちが冷め切った家庭内別居中の夫婦は、ちょっとした出来事をきっかけに本格的な別居へと移行してしまうケースがあります。お互いの存在を無視していても、同居することで感じるさまざまなストレスに耐えられず、どちらかが家を出てしまうのです。
また、家庭内別居中にどちらかが別の人へ愛情を求め、不倫や浮気に発展してしまうケースもあります。配偶者以外との関係が発覚した場合、同居を続けることが心理的に困難になり、ただちに完全な別居を決意する人も少なくありません。
・離婚する
家庭内別居が続くと、相手への関心がますます薄れ、最終的に離婚という結末を迎えるケースは珍しくありません。家庭内別居では相手と過ごす時間が減る分、夫婦の行く末について冷静に考える余裕が生まれます。その結果、改善が見込めないと判断し、離婚を決意する人もいるのです。
子供のために離婚ではなく家庭内別居を選択する夫婦もいますが、子供が成長して独立すると、夫婦が同居する理由が失われてしまいます。長年の家庭内別居の末に、熟年離婚を切り出されるケースも増えています。
家庭内別居はいつまで続く?期間と離婚率のデータ
家庭内別居の行く末は夫婦によってさまざまですが、実際にはどのくらいの期間続き、最終的にどのような結末を迎えるのでしょうか。ここでは、調査データをもとに家庭内別居の実態を見ていきます。
▽ 家庭内別居から離婚する夫婦は8割以上
ささいな夫婦喧嘩が原因の家庭内別居であれば、早期に対応して仲直りできれば短期間で解消できるでしょう。しかし、家庭内別居から夫婦仲を改善できるのは実は少数派で、多くの場合は最終的に離婚してしまうのが現実です。
2021年にノマドマーケティングが行った調査によると、家庭内別居を経験した夫婦の83%が離婚を選択しています。特に女性は91%と非常に高い確率で離婚に至っており、家庭内別居のまま夫婦関係を継続するのは簡単ではないことが分かります。
離婚を回避したいのであれば、夫婦関係が悪化した段階で家庭内別居を安易に選択すべきではないといえるでしょう。
▽ 家庭内別居から離婚までの期間は?
家庭内別居を何年も続ける夫婦もいますが、同じ調査では、30代・40代の夫婦の半数以上が家庭内別居後、半年から1年以内に離婚したという結果が出ています。
アンケート調査の結果、家庭内別居から離婚に至る場合は以下の期間で離婚する夫婦が多いことが分かりました。
1位:別居後5年以内(22%)
2位:別居後1年以内(17%)
3位:別居後半年以内(15%)
しばらく家庭内別居を続けて5年以内に離婚する割合が最も多い一方、半年~1年以内という短期間で離婚に至ってしまう夫婦も多くなっています。
▽ 年代によって離婚までの期間が異なる
注目すべきは、年齢を重ねた夫婦ほど、若い世代に比べて家庭内別居を続ける期間が長いという点です。
・30~40代:別居から半年~1年以内に離婚する人が多い
・50~60代:別居から3~5年経ってから離婚するケースが多い
若い世代は比較的早く決断する傾向にあるのに対し、熟年世代は経済的な事情や子供の独立を待つなどの理由から、長期間の家庭内別居を経て離婚に至るケースが多いようです。
家庭内別居から離婚はできる?法的な注意点
家庭内別居の状態が続き、離婚を考え始めたとき、法的にはどのような手続きが必要になるのでしょうか。ここでは、家庭内別居が離婚理由として認められるかどうか、また離婚を進める際の注意点について解説します。
・家庭内別居は離婚理由として認められる?
夫と妻の両方が合意していれば、家庭内別居などの離婚理由に関わらず離婚が可能です(協議離婚)。しかし、相手の合意が得られず離婚調停や離婚裁判になった場合、家庭内別居だけでは離婚理由として認められない可能性があります。
離婚裁判では、民法で定められている「法定離婚事由」に当てはまる事情があり、夫婦関係が破綻していると認められると、相手の合意がなくても離婚できます。
◇ ◇
【民法第770条 法定離婚事由】
1. 配偶者に不貞な行為があったとき
2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
3. 配偶者の生命が3年以上明らかでないとき
4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
◇ ◇
完全な別居と違い、家庭内別居は同じ家で暮らしているため、他に明確な理由がない場合、夫婦関係が破綻していると判断されにくいのが実情です。ただし、長期間にわたって会話がない、家事や育児を分担していない、生活費を渡していないなど、夫婦としての協力義務が果たされていない証拠があれば、「婚姻を継続し難い重大な事由」として認められる可能性があります。
・家庭内別居中の不倫・浮気は離婚理由になる
家庭内別居中であっても、婚姻関係にある限り、浮気や不倫は法定離婚事由の一つである「不貞行為」とみなされます。
相手が浮気や不倫をしている場合、その証拠を確保できれば、相手の合意がなくても裁判で離婚できる可能性が高まります。また、不貞行為を理由に慰謝料を請求することも可能です。
・家庭内別居中でも浮気、不倫は禁物
一方で、家庭内別居中だからといって自分が浮気や不倫をしてしまうと、離婚事由の原因をつくった「有責配偶者」となってしまいます。
有責配偶者からは原則として離婚を求めることができません。さらに、相手から慰謝料を請求される可能性もあります。
自分では夫婦関係が破綻していると考えていても、法的には婚姻関係が継続している以上、軽率な浮気や不倫は禁物です。離婚を進める際に不利な立場に立たされることになりかねません。