結婚生活が長くなると一度や二度は夫婦の危機を迎えることが必ずあるものです。中には離婚してしまう夫婦もいます。しかし、危機を何度か切り抜けることで困難の乗り越え方を学び、夫婦の真髄に近づいていくのではないでしょうか。夫婦の危機の乗り越え方について考えます。
もう離婚しかない?夫婦の危機の乗り越え方とは
どんなに仲の良い夫婦でも、結婚生活を送っているうちに、お互いに合わない点や嫌な部分が見えてくるものです。短所を含めてそれが相手の個性だと受け止められればいいのですが、そうした性格や考え方の違いから夫婦喧嘩になってしまうこともあります。ときには夫婦の危機を迎えてしまうこともあるでしょう。
そうした夫婦の危機で夫婦愛の再建に向けて手を取り合えるのか、そのまま愛が冷めてしまうのかでは大違い。夫婦の絆をさらに強固にできるのか、離婚してしまうかの分岐点であり、そこに夫婦の真髄があるともいえるでしょう。長くより良い関係を築けるよう夫婦の危機の乗り越え方について考えます。
夫婦が離婚の危機を迎える主な原因とは
夫婦が離婚の危機を迎える原因として、浮気や暴力、モラハラなどが挙げられますが、そのようなはっきりとした原因がないのに、夫婦の関係が悪化していくことがあります。このように次第に夫婦の間の溝が広がっていくのはなぜなのでしょうか。2人の気持が少しずつ広がり、愛情が冷めていく原因を3つ紹介します。
・コミュニケーションが不足している
関係が次第に冷めていく夫婦の特徴としてよく見られるのが、夫婦間のコミュニケーション不足です。仕事や家事、育児など日々の生活に追われていくうち、互いに余裕がなくなり、会話が減っていくと相手が何を考えているのかわからなくなってしまいます。すると、相手への不信感や疑念も湧いてくることがあります。
また「相手は自分のことを理解しているはず」と安心して、自分の気持ちや思いをしっかり伝えなくなってしまう人もいます。しかし、相手が「最近は何を考えているのかわからないし、何も話してくれない」と思っていると、すれ違いが生じ、関係が悪化していくことがあります。
・相手の考え方や価値観が理解できない
すれ違いが目立つようになってきた夫婦からは「相手の考え方や価値観が理解できない」という声を聞くことがあります。実際に一緒に暮らしてみると、金銭感覚や家事の分担、子供の教育、将来設計まで考えが全く違って、すぐに口論になってしまうということは少なくありません。
もともと異なる環境で育ち、さまざまな経験をしてきた2人ですから、価値観や考え方が異なるのは当然です。問題なのは価値観や考え方の違いではなく、互いの違いを認めて受け入れる度量がないことにあるともいえるでしょう。実際、仲の良い夫婦は、相手のことを「自分が持っていない良い部分がある」と言い、お互いの違いを個性として尊重しているものです。
・妻の産後クライシス
女性は生理や出産後の女性ホルモンの変化で、体調を崩したり感情的になったりすることがあります。特に出産後は母性本能が強くなるため、夫に対する態度も冷たくなる人が多く、夫婦関係がぎくしゃくすることも少なくありません。さらに夫が子育てに非協力的な場合は妻が夫に失望するなど、妊娠、出産は夫婦関係が変化するきっかけとなることが多いようです。
こうした出産後に訪れる夫婦の危機を「産後クライシス」と呼びます。女性ホルモンや母性本能が関係する産後クライシスは、誰でも起こる自然なことですが、夫の対応や妻の言動でその後の関係修復に時間がかかったり、夫婦仲が元に戻らなかったりするケースもあります。
離婚は避けたい…夫婦の危機の乗り越え方
夫婦の仲が悪化し、離婚の危機を迎えたとき、どうやって離婚を回避すればいいのでしょうか。効果が期待できる夫婦の危機の乗り越え方を紹介します。
・2人でよく話し合う
夫婦が関係を修復するのに大切なのは、2人で話し合うことです。仲が円満な夫婦ほど、会話する時間が長いというアンケート結果もあります。2019年に江崎グリコが行った調査では、2人の会話量に満足している夫婦は、2人で過ごす時間にも満足している傾向が見られたそうです。
特に夫婦仲が悪化しているときは、会話の際、感情的になったり、相手を否定したりしないようにすることが大切です。また、相手の言い分は途中で遮らず、最後まで聞きましょう。互いが冷静になって本心を打ち明け、問題を解決するにはどうすればいいのか話し合えば、よい解決法が見つかるかもしれません。
・相手の考え方や気持ちを尊重する
夫婦仲がうまくいかない人は、自分の考えや意見を押し付けていることがあります。いつも相手の意見を否定して、自分の気持を押し通そうとしていないか振り返ってみましょう。相手は自分の気持を理解してもらえず、常に従わざるを得ないことに不満を募らせているかもしれません。
関係修復を図るには、相手を理解し、価値観や考え方を尊重することが必要です。もしかすると、2人の意見の良い所を組み合わせれば、互いが満足する結果になるかもしれません。相手の考え方や気持を尊重することは、相手への敬意にもつながります。夫婦とはいえ、互いの良い所を認め、感謝する気持ちを忘れないようにしましょう。
・相手に過度に期待しない
配偶者に対し「こんな人だと思わなかった」「もっと思いやりのある人だったのに」と嘆く人がいます。しかし、いつも配偶者が自分の思った通りに行動してくれるとは限りません。自分のことで精いっぱいで、相手の気持ちを思いやる余裕がないこともあります。それはお互い様のことです。
配偶者に失望する人は、相手に過度の期待をしていることがあります。「きっと自分のことをわかってくれる」「何も言わなくても察してくれるはず」と思っていると、相手が思い通りに行動してくれないと、がっかりしたり裏切られたと感じたりします。相手に言いたいことがあれば、はっきり伝えて「相手は何でもわかってくれる」などと期待するのはやめましょう。
・スキンシップを増やす
夫婦関係を修復するには、夫婦の時間を大切にすることも必要です。家の中でハグをしたり、互いにマッサージをしたりして触れ合うことで、夫婦愛の再建ができることもあります。セックスレスになっている夫婦であれば、お互いが誘いやすい雰囲気をつくることも必要でしょう。
「いまさらスキンシップなんて恥ずかしい」と思う人もいるかもしれませんが、仲の良い夫婦はいくつになっても手をつないで外出したり、隣で寝ていたりするものです。最近、夫婦の仲がうまくいっていないと感じたら、さりげなくスキンシップを図ってみましょう。
・信頼できる知人や専門家に相談する
夫婦2人の間だけでは、問題解決が難しい場合は、両親や知人に相談してみてもいいでしょう。第三者の目から夫婦の間の問題点を指摘してもらえるかもしれません。経験に基づいたアドバイスを受けられることもあるでしょう。また、悩みを他人に話す事で、自分なりに現状や問題点を整理できることもあります。
もし、知人に悩みを知られることに抵抗があるのなら、夫婦問題に詳しいカウンセラーに相談するという方法もあります。相談を通じて多くの夫婦を見てきた経験から、効果的な解決法を示してもらえ、専門知識に基づいたアドバイスも得られるでしょう。
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~夫婦カウンセラー 森澤 雅代さんのコメント~
夫婦の危機を迎えてしまう夫婦は、多かれ少なかれコミュニケーション不足しています。コミュニケーション不足から相手への不信感へと繋がり、たとえコミュニケーションを取ったとしても相手の考え方や価値観が理解できないだけでなく、否定することで口論となり、夫婦仲が悪化し、離婚の危機を迎えてしまうケースも珍しくありません。
お互いの考え方や価値観が違うことよりも、否定したり、押しつけることで問題が起こりやすくなります。自分の気持を理解されないと感じると、不満を募らせ、次第に諦めてしまうこともあります。
夫婦関係を修復するためには、お互いの違いを認め合い、相手の考え方や気持ちを尊重しながら話し合うことが大切です。冷静に話し合うことが難しいときは、専門家の力を借りるのも一つの方法です。