大きな病院の駐車場横に住むという、雪国の住民がSNSに投稿した「早朝5時半から稼働している除雪車の音がマジクソ迷惑。開始時間が早過ぎる」といった文面に、雪国の外構屋K(@Yukiguni_K_)さんが、「なぜ夜明けから除雪作業をする必要があるのか」をX(旧Twitter)に投稿。ネット上で大きな話題になった。
除雪は「病院の駐車場」だけじゃない
<以下、雪国の外構屋KさんのXの投稿より>
除雪業者です。除雪をするのはあなたの家の隣の病院の駐車場だけではありません。
除雪オペレーターも人手不足なため、1人で何ヶ所も除雪しなければなりません。店や施設がオープンする前に終わらせる必要があります。仮に5時間かかる除雪コースを朝の8時までに終わらせるとしたら朝の3時から始めなければなりません。
除雪業者はあなたより短い睡眠時間で眠い思いをしながら作業をしています。ご理解とご協力をよろしくお願いします。最後に、ありがたいと思っていたらマジクソ迷惑なんて言葉は出てこないと思います。
安全圏からのクレーム
雪国の外構屋Kさんの投稿に対して、雪国の住民や雪国出身者、同じく除雪作業に携わる方々からも多くの共感の声が殺到した。
また、実際に同様のクレームで除雪作業が午前6時以降となり、「除雪作業が遅れたせいで駐車場に入庫できない職員や利用者の車が周辺にあふれ大渋滞となった」という、病院関係者からの体験談も寄せられた。
一方で、「公道なら理解できるが、病院も除雪業も事業だから騒音で迷惑かけて当たり前というのはどうかと思う」「救急車が通れない?早朝から病院に来るな。急ぎなら救急車呼べ」「昼間に市内の全道路を封鎖して一斉に除雪しろ」といった、大雪とは無縁の場所に住むと思わしき人物からの持論が寄せられるなど、ネット上で大きな論争となった。
夜明けから作業を開始する「除雪車」の現実について、雪国の外構屋Kさんにお話を聞いた。
「昼間に除雪作業をする」リスクとは?
ーー「除雪作業」の依頼元は各自治体なのですか?
「道路や公共施設ついては各自治体になります。店舗等の民間施設はその事業者からの依頼になります」
ーー仮に昼間に除雪作業を行った場合、どんな弊害が考えられますか?
「そもそも大量の積雪があるのに除雪されていない道路や駐車場には車が入れず、通勤通学や営業に支障が出ます。また、昼間に除雪作業を行えば道路が渋滞してしまいますし、店舗や駐車場が使用中ですと除雪作業ができません。重機の周りに車や人がいると接触の可能性があり非常に危険ですし、作業効率が大幅に低下してしまいます」
ーー除雪作業のクレームを全て受け入れた結果、街から除雪業者がいなくなる可能性があると投稿されていましたね…。
「すでに除雪オペレーターは高齢化しており若手不足です。除雪をしている私の会社も60~70代のオペレーターが中心で、20~30代はいません。10年後には除雪作業に関わる人の負担はもっと増えると思いますし、業者不足で朝までに除雪が終わらない、といったことも増えると思います」
「クマ駆除の時と同じ」安全圏からのクレーム
積雪のリスクが少ない安全圏から寄せられた反論に対し、「クマ(駆除)の時と…」「除夜の鐘もね」「病院が出来る前から住んでたらかわいそうだなってなるけど、後から引越したなら自分が選んだ結果やん」といった声が多く寄せられた。
こういった「積雪」に対する理解度の違いは、ネット上の論争にとどまらず、雪道での重大な事故や大規模な渋滞を引き起こす原因にもなり得る。
「いつも除雪作業にご理解とご協力ありがとうございます」と語る雪国の外構屋Kさんも、「ノーマルタイヤで雪国に来ないで!」と訴える。