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「見つけたお金はあなたのもの」SNSで話題の宝探しゲーム 100万円を発見! 持ち帰ったら罪に問われる? 弁護士がズバリ解説

長澤 芳子 長澤 芳子

20代男性の会社員Aさんは、仕事を終えて帰宅後、いつものようにSNSを眺めていました。すると、タイムラインに「ここに100万円を隠しておきます」というメッセージとともに、複数の風景写真が添えられた投稿が流れてきます。

最初は「よくあるSNSのネタだろう」と半信半疑で見ていたAさんでしたが、写真をよく確認すると、どれも見覚えのある風景でした。記憶をたどること数分後、それが自宅から車で30分ほどの場所にある公園だと気付きます。

「もしかして本当にあるのかもしれない…」

そう思ったAさんは、急いで車を走らせ、公園へ向かいました。

現地を探してみると、木陰の近くに置かれたかばんを発見。中を確認すると、大量の1万円札が入っていました。

思わず踊り出しそうになるほどの喜びを感じたAさんでしたが、すぐに冷静さを取り戻します。

「このお金は、そのまま持ち帰ってもいいのだろうか。それとも警察に届けるべきなのか…」

SNS上で告知された“宝探し”のような形で見つけた現金は、法律上どのような扱いになるのでしょうか。弁護士法人・響の古藤由佳弁護士に話を聞きました。

SNS宝探しの現金、原則は「占有離脱物」だが

ー「隠しておく」と宣言してからお金を隠す場合、お金はどのような扱い、誰のものになるのでしょうか?

本件のような「宝探し」の場合、確かに、対象物の近くに持ち主はいませんが、持ち主としては、「自分の持ち物を賞品として隠している。宝探しの参加者に贈与する」認識なのであり、隠し場所も明確に認識しているため、「所有の意思(自分の物だ、という意識)を持ちながら、対象物の近くにはいない状態」であるといえます。

宝探し開催の場所や捜索対象となる範囲にもよりますが、本件SNSのように、公共の場所を広く利用して行う宝探しについては、さすがに本件対象物に対して、現実に所持していなくても法律上その物を所持・支配しているとみなすことができないため、対象物は落とし物などと同じ「占有離脱物」になります。

落とし物については、所有者が意図的に占有しなくなったわけではありませんが、自らの所有物である認識を持ちながら、所有者の占有・管理を離れた物、という意味で、上記宝探しの場合と同じです。落とした直後などの事情がない限りは「占有離脱物」になります。

ー隠す側、拾う側に法的なリスクはないのでしょうか?

隠す側には、何の罪もありません。拾う側について、宝探しの賞品は「占有離脱物」になっているので、これを勝手に自分の物にしてしまうことにより、原則としては、占有離脱物横領罪が成立する可能性があります。この場合の法定刑は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料です。

ただし、宝探しの参加者が拾うことについては、そもそも所有者である隠す側が想定していた人の手に渡ったことになるので、所有権者による法益放棄があったとして、行為の違法性が阻却され、犯罪不成立になり、とくに問題にはならないものと思います。

◆古藤由佳(ことう・ゆか)弁護士
弁護士法人・響に所属。「難しい法律の世界をやさしく、わかりやすく」をモットーに、消費者トラブルや借金・交通事故・労働問題・相続・離婚など、民事事件から刑事事件まで幅広く手掛ける。
FM NACK5『島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相』にレギュラー出演するほか、ニュース・情報番組などテレビ・新聞・雑誌等メディア出演も多数。

▽弁護士法人・響 公式ホームページ
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