現在の社会と比べて「昔のほうが良かった」と感じる人は少なくありません。例えば50年前にあたる1975年の状況と現在を比べた場合、人々はどのように受け止めているのでしょうか。
世界最大規模の世論調査会社 イプソス株式会社 は、日本を含む世界30カ国で、現在と50年前を比べ、自国の状況をどう評価するかを尋ねる調査を実施しました。その結果、日本人の約5割が「1975年の方が幸福度が高い」と考えていることが分かりました。
1975年の主なニュースは、山陽新幹線(岡山駅ー博多駅間)開業▽田部井淳子さんが女性として世界初のエベレスト登頂に成功▽沖縄国際海洋博覧会開幕▽広島カープがセ・リーグ初優勝▽3億円事件が時効成立▽天皇、皇后両陛下初のご訪米▽東映太秦映画村が開村▽ローソン設立(サイト「年代流行」から引用)
調査では、「50年前の1975年と比べて、現在の自国の状況をどう評価するか」という設問に対し、幸福度や医療の質、教育制度の質など、複数の項目について回答を求めています。
このうち日本では、「人々の幸福度」について「1975年の方が良かった」と回答した人が48%と最も多くなりました。一方で、「現在の方が良い」と答えた人は12%にとどまっています。
一方、同じ設問でも項目によって回答の傾向は異なりました。「医療の質」については68%が「現在の方が良い」と回答しており、「教育制度の質」でも「現在の方が良い」とする割合は40%となっています。
幸福度に関する回答を世代別に見ると、「1975年の方が幸福度が高かった」と考えている割合は、ベビーブーマー世代で62%と最も高くなりました。年齢が下がるにつれてその割合は減少しますが、最も低かったZ世代でも34%が「1975年の方が幸福度が高い」と回答しています。これは、「現在の方が良い」と答えた割合(21%)を上回っています。
また、「50年前に生まれるか、今年(2025年)に生まれるかを選べるとしたらどちらを選ぶか」という質問でも、世代ごとの差がみられました。「1975年に生まれたい」と答えた割合が高かったのは、ベビーブーマー世代(47%)とX世代(36%)でした。一方、ミレニアル世代では「どちらも選ばない」が36%で最も多く、Z世代では「2025年に生まれたい」と回答した人の割合が最も高くなっています。
今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一氏は、次のように述べています。
「第二次世界大戦後、日本経済は著しい成長を遂げ、1980年代には世界第2位の経済大国となりました。その時代を生きた人々はしばしば『50年前』を懐かしく思い出します。数々の困難や災害があったにもかかわらず、人々は、ゆったりとした生活のペース、強い人と人とのつながり、地域の助け合いなど、前向きな側面を記憶している傾向があります。先の見通しが立てやすい時代でもあったと言えるでしょう。今日では、テクノロジーや医療、人権などの進歩による恩恵を受けている一方で、未来はより不確実に感じられています」
調査は、日本を含む世界30カ国の2万3772人を対象に、2025年8月から9月にかけて実施されました。
【出典】
イプソス
https://www.ipsos.com/ja-jp