子ども一人ひとりに個室があるマイホーム。いつか子どもが巣立つ時までは心地よい毎日を過ごしてほしいと願って、ゆったりとした子ども部屋を用意された親御さんも多いのではないでしょうか。
そんな「子ども部屋」、進学や就職などをきっかけに子どもが自立した後、どうするか決めていますか?
今回は「子どもが家を出た後の子ども部屋をどうするか問題」で意見が割れてしまったご家族の話を紹介します。
家を出た子どもの部屋、そのまま残しておいたけれど
Aさん(関西在住、50代、契約社員)は地元の金融機関に勤める夫、大学入学を機に家を出て、今は会社の寮に住む社会人2年目の長男、来年就職活動を控えた大学生の長女との4人家族です。
Aさん一家の住む家は、長男が幼稚園に入園したときに建てた注文住宅で、2階に長男長女それぞれの個室と夫婦の寝室、1階はLDKと和室という当時の王道だった間取りになっています。
家を出た長男の部屋は「長男の部屋」としてベッドや勉強机がそのままになっており、高校時代の制服やカバン、部活動の道具に好きだったマンガや卒業アルバムなどの思い出の品などもそのまま保管されています。
大学生の時は長期休みに帰省して数週間実家にいることも多く、「ひょっとしてUターン就職するかも?」と長男本人も悩んでいたこともあって、家族全員何の疑問もなく「お兄ちゃんの部屋」として自然とそのままになっていたそうです。
しかし結局、就職活動が終わって社会人になってもそのまま家を出ることが決定、たまの休暇も大学生の時ほど長く滞在することもなくなったのですが…。
母の私も個室が欲しい!
普段使わないとはいえホコリも積もるし空気も入れ替えないと、と掃除機をかけていて、ふと「もう実家で暮らすことはないだろうし、この部屋、私の部屋にしたいな」と思いついたAさん。
最近趣味で編み物をはじめて、普段はリビングやダイニングテーブルで作業をしていましたが、食事などのタイミングで作業途中でも片づけをしないといけないことが不便だと感じていたのだそうです。
善は急げと長男に「この部屋片づけたいんだけど、捨てちゃダメなものあれば送るから教えて!」とLINEを送り、自分の部屋のクローゼットに入りきらない季節外れの服を兄の部屋に置いていた長女にも「片づけて!」と声をかけたのですが…。
まさかの家族全員から反対されてしまったというのです。
「そんなの可哀そう」「ひどい」と言われたけれど…徐々にスペースを拡張中
夫には「こっちに転勤になるかもしれないじゃないか」
長男には「帰省したらどこに寝たらいいわけ?和室?落ち着かないよ」
長女には「別にそのまま使ったらよくない?」
家族全員から反対されてしまい、ひとまず長男の荷物を捨てるのは断念したAさんでしたが…。
「そもそも、夫婦だと最初からひと部屋にまとめるのではなくて、狭くてもいいから家族全員ひとり一部屋欲しいですよね。しかも、夫は寝室に自分用のデスクがあるんですよ。コロナ禍の時に在宅ワークをしなきゃいけないからってわざわざ書斎っぽくパーテーションまで買ったんです。もうほとんど使っていないですけど。娘も大学やバイトや就活で家にいる時間は寝ている時くらいで、家にいる時間が一番長いのは私で、家事もほとんど私がしているのに、私だけが自分専用のスペース持っていないの、おかしくないですか!?」
今は家族に気づかれないようにこっそり家の中の荷物を減らして整理整頓しつつ、長男の部屋の一角を自分専用コーナーに改造しようと計画中だそうです。
家を出ても子どもの部屋はそのままにしておくか、新しい生活空間に模様替えするか、模様替えのしやすさや導線も含め、家を建てる時点で少し考えておいてもいいのかもしれません!