近ごろよく語られる『若者の飲み会離れ』。しかし本当は「プライベートを確保したい」「飲みニケーションが嫌」よりも、もっと根深い『飲み会の構造的問題』があるのかもしれません。クマさんの作品『ブラックマ』では、現代社会にはびこるブラックな問題を痛烈に描いています。
飲食店アルバイトの鈴木は、「また飲み会に不参加。まったく今の若い子は」と上司から文句を言われます。しかし、鈴木には飲み会に参加しないある理由がありました。
数ヶ月前、鈴木は「たまには参加しないと」と飲み会に顔を出しました。皆で飲んでいるころ、上司は鈴木に「ところでこれ」と紙を差し出します。
上司は続けて「今日のお昼、堺さんが後から来たお客様に先にランチを渡してしまったようね。先輩の鈴木さんが気をつけてあげないと」と話しはじめました。そのあとも上司は接客業のうんちくや鈴木への叱咤など、長々と説教を続けます。
鈴木は内心「飲み会だよね!?仕事中に言えよ!」「3000円も払って受けるのは説教!?」と衝撃を受けます。そして鈴木は心のなかで「今度から職場の飲み会に参加しないように気をつけます♡」と誓うのでした。
飲み会文化を遠ざけているのは上の世代かもしれない、と言葉を添えて物語は幕を閉じます。
同作に対し、SNS上では「ホントこれだから飲み会イヤ」といった意見や「自分は職場の飲み会好きだったなあ」など、さまざまなコメントが寄せられています。そこで作者のクマさんに話を聞きました。
『本当に楽しい飲み会』であれば若者も参加するのでは?
―こちらの作品を描くにあたって、なにかきっかけはあったのでしょうか。
「今の若い子は飲み会に行かない」という風潮に興味を抱いたことがきっかけです。20代の若い人は「コスパ・タイパ重視」。忙しい現代社会、プライベートの時間を確保しようとするのは至極当然のことです。でもそれは、裏返せば、楽しさや勉強に前のめりということ。本当に楽しい飲み会なら若い子も参加する、参加しないのは飲み会に問題があるのではないか? と思い描きました。
―クマさん自身も、飲み会中に説教を受けたことはありますか。
あります。20代は職場に恵まれていたこともあり飲み会が楽しくて積極的に参加していましたが、30代になって上司のお小言を頂戴しながら苦い酒を吞む、という場面がありました。私がそうなのだからきっと大多数の人が経験あるだろうと思いXにポストしましたら、実際に引用が沢山ついて、皆さん似たような体験をされていることが分かりました。
―読者に伝えたいことを。
漫画ブラックマは会社や日常でありがちな人間関係を描いたショートストーリーです。時々社会問題もとりあげます。Amazonで無料で読めるお話もあるので、ぜひ。「世の中にはこういう問題もあるのか」とお酒片手に楽しんでいただけたら幸いです。
<クマさん関連情報>
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新刊『ブラックマ ブラックマ社の日常』
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