tl_bnr_land

「東京で1億のマンションなんて無理」先輩の現実に衝撃 将来を見すえて地元に戻った、Uターン転職者の“本音”

沼田 絵美 沼田 絵美

生まれ育った地域を離れ、就職や進学を機に都市部で働く人は多くいます。その一方で、近年は地元に戻る「Uターン転職」を選ぶ人も増えています。都心部の住宅費高騰や、地方での最低時給の上昇、人手不足による求人増などを背景に、「地元に戻るつもりはなかったけれど、やっぱり…」と考える人が増えているようです。

Uターン転職活動、意外とさくさく進んだ秘訣とは?

Aさん(北関東在住、30代、会社員)は大学進学をきっかけに上京し、そのまま東京の会社に就職しました。希望していた職種であるマーケターとして働き、やりがいのある仕事に携わる日々を過ごしていたそうです。

転職を意識し始めたのは、コロナ禍が落ち着いた頃でした。リモートワークが導入され、Webマーケティングという職種柄、在宅勤務との相性もよかったため、コロナが5類に移行した後も出社を希望しない社員が多く、職場は在宅中心の働き方に移行していったといいます。

「こんな狭くて高いワンルームで一日中仕事をするなら、地元に戻って広い部屋に住んだ方が楽しいのでは?」と思うようになったそうです。

そんなとき、オンライン販売に力を入れたい地元の大手メーカーの求人を転職エージェントに紹介され、順調に転職を決めたそうです。

「もともとオンラインで働いていたので、出社は週に1度程度でいいよと融通を利かせてもらえました。実際、在職中の転職活動では最終面接以外はオンラインがほとんど。思ったより探しやすかったですね」

確かにUターン転職の「求人の探しやすさ」は格段に向上しているようです。

先輩社員の住宅購入話を聞いてUターンを決心

Bさん(関西在住、30代、会社員)がUターンを考えたきっかけは、夫婦共同名義・ペアローンでマンションを購入した先輩社員の話を聞いたことでした。

「このまま東京で働くなら、結婚したらマンションか戸建てを買うんだろうな」と漠然と考えていたBさん。しかし先輩の話に衝撃を受けたといいます。

「本社まで30分以内、駅徒歩10分以内、70㎡以上の新築マンションがいくらするかわかるか? 1億円を切る物件なんてない。最初から夢見ちゃダメだなと思ったよ。うちは中古で駅からバス、それでも妻が子どもを産んだら会社を辞めるのは難しい。夫婦フルタイムで、子どもは一人が限界だな」

大学時代は寮生活、社会人になってからも単身用の借り上げ社宅に住んでいたBさんは、東京の住宅事情を実感したことがなく、急に将来が不安になったそうです。

その話を地元の両親にしたところ、熱心にUターンを勧められ、1年計画で地元自治体の公務員に転職しました。

「今は地元の求人もインターネットハローワークで見られますし、情報収集もしやすいですね。転職して年収は少し下がりましたが、交通費が安くなったことに加え、実家に戻ったので家賃もかかりません。住む場所や勤務先が変わった影響で、社会保険料の負担も私の場合は結果的に軽くなりました」

額面だけでなく、生活全体での“収入”を考えると、確かに大きなメリットがあるようです。

地方移住・Uターン転職をしてよかったと思っている人は64.3%

マイナビ転職が2025年7月に公表した「地方移住転職・Uターン転職の年収変化と満足度調査」によると、地方移住転職・Uターン転職をしてよかったと思っている人が64.3%にのぼります。

特に「良くなったこと」として多く挙げられたのは以下の3項目です。

・ワーク・ライフ・バランス……45.3%
・毎日の幸福感……44.8%
・通勤ストレス……43.5%

いずれも「悪くなった」と回答した割合の2倍以上となっています。地方での暮らしに満足し、日々の幸福感が高まったと感じる人が多いことがうかがえます。

【参考】
▽マイナビ転職|地方移住転職・Uターン転職の年収変化と満足度調査・2025年
https://www.mynavi.jp/news/2025/07/post_49766.html

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース