塾の費用は塾側が非公表としているケースもあり、相場が事前に分かりにくいとの声も聞かれます。実際、どのような項目に、どの程度の費用がかかるのでしょうか。合同会社プラスワン(東京都千代田区)が運営する塾検索サイト『塾探しの窓口』が実施した調査によると、子どもを塾に通わせた保護者が「予想以上に費用がかかった」と感じる項目は「季節講習費」が最多となり、塾にかかる費用は中学受験の有無で大きく変わることが明らかとなりました。
調査は、小学生の子どもを塾に通わせた全国の30~50代の保護者522人を対象として、2025年9月にインターネットで実施されました。
はじめに、塾において「予想以上に費用がかかったと感じる項目」を尋ねたところ、1位「季節講習費」(52.4%)、2位「授業料」(37.8%)、3位「特別講習費」(30.7%)という結果になりました。
1位の「季節講習費」は、学校が長期休みとなる春・夏・冬に行われる期間限定の授業で、カリキュラムの一環として受講必須とする塾が多く、費用は月謝とは別に請求され、数万円から数十万円が相場となっているようです。
また、2位の「授業料」については、一般的に塾の広告やホームページに紹介される授業料は、最安のものであることが多いとされる一方で、実際には学年や指導内容によって料金は変動する塾特有のシステムに起因しているといいます。
3位の「特別講習費」は、成績アップや合格のために通常授業と別日程で実施され、実践的な内容に取り組むことから、高額になりやすく、教材費も授業料等とは別にかかるため、想定外との感想につながりやすいようです。
続けて、中学受験していない(予定がない)保護者(79.6%)と子どもに中学受験をさせた(予定を含む)保護者(20.1%)とで、「塾にかかる費用の違い」を調べた結果、中学受験していない家庭は年間支出「~30万円」(27.0%)が最多となったのに対して、中学受験をさせた家庭では年間支出「~50万円」(24.4%)が最多となったほか、「~100万円」(20.0%)も2割見られ、中学受験のために塾に通うと、受験目的以外の通塾と比べて支出が増えることが明らかとなりました。
また、塾に関連する支出ではあるものの、塾に支払う費用ではない「間接的な費用」について調べたところ、「子どもの交通費」(中学受験なし3.1%、中学受験あり15.6%)や「子どもの食費・雑費」(同4.3%、同10.0%)、「送迎費用(ガソリン代・駐車場代)」(同3.7%、同13.3%)などが上位に挙げられました。
これらの調査結果を踏まえて同サイトは、「塾の費用は、月謝(授業料)ばかりに目がいきがちだが、実際には授業料以外にも多様な費用がかかる。『予想以上にかかった』という後悔を避けるため、入塾前に費用項目の開示を求める姿勢が重要。費用を決めにくい季節講習費も、一般的な相場を聞くだけでも参考になる」とコメントしています。
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【出典】
▽塾探しの窓口/小学生の塾費用は年間30万~50万円程度!間接的な出費にも要注意
https://jyukumado.jp/column/250