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かつおだしが使えない! 東映太秦映画村に「ヴィーガンうどん」誕生 天かすは水と小麦粉

陰山 篤志 陰山 篤志

 京都市右京区の東映太秦映画村にある飲食店「京うどん開化亭」が、動物性食品を取らない「ヴィーガン」のためのうどんの提供を始めた。「お湯にしょうゆだけ入れて」。かつて、一般的なうどんを味わえないヴィーガンたちは、そんな要望をすることもあった。経営者は「それではおいしくない。何かしたいと思った」と語る。

 運営するgain(ゲイン)=下京区=の鈴鹿豊史さん(53)によると、5月に売り出したのは「オリエンタルヴィーガンきつねうどん」。動物性食品に加え、ネギやタマネギ、ニンニクなどのにおいが強い野菜も取らない人たちをオリエンタルヴィーガンと呼ぶという。

 来店者の1割程が外国人。ヴィーガンも足を運ぶが、普通のうどんは、カツオなどのだしを使うため、食べられない。先方の希望も踏まえ、苦肉の策として、お湯にしょうゆだけ入れたうどんを出すことが何度もあったという。鈴鹿さんは「それではおいしくないし、本当のうどんを食べてほしい」と考えていた。

 ヴィーガン関係の小売店運営や飲食提供を手がける京善(中京区)の担当者と知り合い、連携して試行錯誤。魚の代わりに大豆やシイタケなどを使って風味を高めた。天かすも水と小麦粉のみで作り、卵は用いない。ネギ類は入れず、水菜を活用。砂糖もヴィーガン対応にするなどして完成させた。鈴鹿さんは「すべてにこだわった」と胸を張る。

 欧米系の外国人が主に注文し、全員が完食していく。少し甘めで、うまみのあるだしへの評価は上々という。映画村のスタッフに味わってもらった際も、「問題なくおいしい」といった感想が聞かれたという。

 動物福祉の意識の高まりや、家畜生産による環境負荷の問題などで、ヴィーガンへの関心は今後さらに高まるとみられる。「ヴィーガン対応は必然になる。まずは一品できてよかった。一層味を高めたいし、メニューも増やしたい」と意気込む。

 外国人観光客の取り込みに注力する映画村の担当者も「とてもありがたい取り組み」と喜ぶ。

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