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小6女子の「自由研究」…なりたい職業を実現 10年前のパソコンで挑戦「大人でもなかなかできない」

宮前 晶子 宮前 晶子

「「Vチューバーになりたい」 上の子の自由研究まとめ、無事に書き終わりました!! 文字で説明が難しい物が多いのに、よく頑張ったなと 
分かったこと『10年前のパソコンでも配信ができた!』」

小学生のなりたい職業にも挙げられるVチューバー(※1)を、自由研究で取り上げたのは小学6年生の女の子。10年前のパソコンを使ってのライブ配信を行い、その取り組み内容をまとめました。

我が子の自由研究への取り組みを見守った母のナナさん(@muzangahara)のポストには、「“〇〇だからできない”とならず、今の環境でできるフルパワーを出そうとする努力は大人でもなかなかできないと思います。 私も環境のせいにせず頑張ろう」「1回目の反省点を活かして次の配信に繋げる姿勢、手順や考察が丁寧に書かれていて、自由研究としてとっても読みやすい」などの称賛が。

ナナさんとご本人(仮名:あんこちゃん)に研究への思いや苦労した点などを取材しました。

夏休み初日に決めた!

実は、小学5年生だった昨年の自由研究では光る剣を作り、SNSで大きな話題になったあんこちゃん。

「お祭りで売っている光る剣が1000円で、自分のおこづかいで買うには高いな、自分で作ったら安くできるんじゃないかな、と思ったのです」

その考えから、設計図を描いて必要な材料を購入して光る剣を製作。時間もお金もかかったため、「お祭りで見た剣の値段は高くなかったかもしれない」と分析した自由研究には称賛の声が続出。そして今年は…。

「Vチューバーになって、ライブ配信をして、それについての研究結果を書こう!」

小学校6年生になったあんこちゃんが、この夏の自由研究のテーマを決めたのは、夏休みがスタートした日。その理由を「母はローカルヒーローの衣装を作っていて、そのヒーローはよくVチューバーと、コラボしたり、お話したりしています。だから、以前からVチューバーを身近に感じていました」。

準備期間は約24日間。毎日準備していたわけではなく、手をつけない日もありましたが、キャラクター創作の段階でオリジナリティが爆発!

「すでに存在しているVチューバーをパクるような感じになるのは嫌だから、いろいろ調べました。もともとヒョウモンダコが好きで、ヒョウモンダコのVチューバーはいないので、あっ、コレでやろう!と閃いて、ヒョウモンダコから発想を得た女の子にしたんです」

スカートや前髪などにヒョウモンダコを思わせるモチーフをあしらい、名前は「ウモンタ」、田舎の深海に住んでいるという設定にしました。もちろん、イラストも自作。書き起こす過程は、ショート動画で公開しています。 

そして、驚くべきことに配信に使ったパソコンは10年前のもの。

「今年買ったパソコンはありますが、それは父の仕事用パソコン。使うことができないので、10年前のパソコンを家の物置から掘り出しました」

10年前のパソコンゆえ、フリーズすることが何回もあったそうです。また、予定していたソフトが対応しておらず、同等のソフトを探すなどの手間もかかりました。イラストを2Dに起こす作業などはYouTube動画で勉強。

「ライブ2Dがすごく難しくて、だんだん分からなくなってきて、最後は当てずっぽ(笑)。ちゃんと動くか、すごく不安で、YouTubeに連携できるのかな?って」

実際に、配信できるのか不安に思いながらも、8月11日にライブ配信。あんこちゃんは、「配信は2回やりましたが、1回目は大失敗で……。その反省点を踏まえて2回目の配信に臨みました」。

その結果、視聴者からのコメントも届き、それにコメントを返したり、ヒョウモンダコへの愛を語ったり、まさにVチューバーさながら。コメント欄にも「自由研究のレベルじゃない」「自分でプログラミングしてすごい!」などの書き込みがありました。

自由研究では1回目と2回目を振り返って、成功失敗についてもまとめ、「自由研究は紙に書かなくちゃいけなくて、動画なしで文章にするのが難しかったです」。 

今回の研究を通じて感じたのも、やはりモノを創り出すことの大変さ。

「最近はよく、『簡単に〇〇が作れる』と書かれたアプリやサイトの広告をよく見かけます。Vチューバーのモデルに何十万円もかかる、と言われると、“そんなものにお金を使うなんて”と思う人も多いと思います。

去年の自由研究のきっかけとなった1000円くらいで売られていた光る剣は子供からすると少し高いし、しかもたくさん売っているので、“そんなにあるならもっと安くていいでしょ”と、私も思いました。

でも、モデルにかかる何十万円という価格や光る剣の1000円という値段は、プロの使う本格的な道具などにかかったお金、制作者の技術、努力、すべてまとめた 作品の価値だということを知りました」

 途中で断念する自由研究になるかも……

母のナナさんはあんこちゃんの取り組みを手助けすることなく、ほぼ見守っていました。今年の自由研究のテーマを聞いた時に最初に思ったのは夏休み中に終わるのかな?ということ。

「イラストを2Dに起こす作業がとても難しいと聞いていたので、少し不安でした。でも、本人がやりたいものじゃないと続かないだろうから、できるところまで頑張れ…と思いました」

実際にサポートしたのは、使用するパソコンにLive2Dなどのソフトをインストールすることぐらいだったそう。

「今回使ったイラストや、Live2D、nizimaLIVEなどのソフトの知識が私にはまったくなくて。本人がYouTubeなどで調べて製作していました。この機会に、娘から作業工程を教えてもらって、子供の吸収力と好奇心すごいなって思います」

できる限り無課金で、どうしても必要な物ができたときのみ相談して購入すると事前に決め、ソフトは無料のものを使用。かかった費用は、マウスがないと製作が難しかったので、購入した有線マウス(730円ほど)のみ。

製作も順調に進み、いざ、ライブ配信をしようという段階で思わぬ落とし穴がありました。

自由研究の題材を決めた7月20日頃は、小学生でもYouTube配信が可能でしたが、7月22日にルール改正があり、ライブ配信は16歳以上となったのです。

「急きょ、私がアカウントを取ることにしました。長女1人でライブ配信の予定でしたが、それも不可能となったので、『ウモンタとタコママの2人でライブ配信』という形を取ることにしました」

一緒に配信するのは想定外だったと言いますが、視聴している人からの「サイケデリック」という言葉がわからないウモンタちゃん(あんこちゃん)をさりげなくタコママ(ナナさん)がフォローするなど、ウモンタちゃん中心の微笑ましいライブ配信でした。 

途中で断念する研究になることもあり得ると考えていたナナさん。

「大人でもモデリングが難しくて挫折したという話を聞いていましたし、パソコンも10年前のもので動作が悪すぎるので、配信までパソコンがもたないのではないか、とも危惧していました。

難しいながらもモデリング完成して、ライブ配信も無事に終えることができて本当にビックリしています。私自身は、毎年適当な貯金箱を作って提出していたので、ほんと偉い!よく頑張ったなと褒めたいです」

■ナナさん X @muzangahara
■ヒョウモンダコVTuberウモンタ @umonta

 (※1)子ども向けサイト「ニフティキッズ」にて、「なりたい職業」に関するアンケート調査より
一番なりたい職業1位は学校の先生、2位イラストレーター、3位歌い手、4位Vtuber、5位芸能人(俳優・モデル)、6位YouTuber、7位医者、8位アイドル(K-POP、J-POP)、9位ミュージシャン・音楽家、10位(同率)保育園・幼稚園の先生、選択肢以外の公務員

アンケート実施期間:2024年11月12日(火)~12月9日(月)
調査機関:自社調査
調査対象:小中学生を中心とする「ニフティキッズ」訪問者
有効回答数:2313件
調査方法:インターネット調査

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