大阪・関西万博に連日10万人を超す人が訪れているが、京都や滋賀から会場の夢洲(大阪市)に向かう交通手段は鉄道、バス、マイカーなど多岐にわたる。主なアクセスを洗い出し、料金などを比較してみた。
京都駅から会場直行の高速バスを運行しているのは京阪バス(京都市南区)。八条口を午前7、8時台に出発し、高速京田辺(京田辺市)のバス停を経由して夢洲のバスターミナルまでのルートを約1時間25分で結ぶ。
座席は全て事前予約で、料金は1人2千円。平日に1往復、土日・祝日は2往復を運行してきたが、利用は好調で5月から土日祝の便を3往復に拡大した。だが「これ以上の増便は乗務員不足で難しい」(経営戦略室)という。
京阪バスはJR大阪駅前や京阪中之島駅を発着するシャトルバス(料金1千円)も1時間に1~2本運行する。こちらは乗車率6~7割で余裕はあるものの、乗車手続きは交通アプリ「KANSAI Maas(マース)」のみに限られる。
タクシー大手エムケイ(南区)と滋賀エムケイ(大津市)は、京都市以南の一部と滋賀県南部を対象に、ホテルや自宅から会場まで定額運賃タクシーを運行する。現在の1日当たりの利用実績は約1・5件で、車種はミニバン(定員6人)が人気という。
「万博入場者数の推移をみると、もう少し増えてほしい」(経営企画部)のが本音。対応できる車両は余裕があり、現在は当日の配車対応も可能という。京都駅八条口発では普通車(定員4人)の料金が1万4100円。帰路も貸し切りタクシーを2万650円から用意している。
大人数で向かう場合の選択肢となるのが、パーク&ライド(P&R)だ。夢洲に近い人工島「舞洲(まいしま)」や堺市、兵庫県尼崎市の3カ所にある専用駐車場に車を止め、シャトルバスで会場に向かう。合計で1万台以上駐車できるが、日本国際博覧会協会によると、利用率は平日で2割、土日・祝日で3割にとどまっているという。
低調な利用の原因はPR不足に加え、乗用車1台で1日5千~5500円という基本料金の高さがあるとみられている。同協会は5月24日から当日予約枠を新設し、午後3時以降に利用した場合の料金を同2750~3500円に設定した。
最も多い利用は鉄道だ。JR東海道線から大阪環状線を経て大阪メトロ中央線乗り換えで夢洲駅に向かうルートのほか、阪急京都河原町駅発のルートは最安値の1人840円と千円を下回る。
多様な交通手段はそれぞれ長所があり、訪れる日時や天候、人数などによって使い分けるのも万博の楽しみになるかもしれない。