膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置から外れる「パテラ(膝蓋骨脱臼)」は、小型犬によく見られる病気。だが、実は猫もパテラになることがある。
Mさん(@mdr_1010)は2025年6月10日の夕方、愛猫サビちゃんの右後ろ足の異変に気づき、病院へ。パテラと診断され、病名や症状を初めて知った。
自宅の敷地内に現れた“サビ柄の成猫”を保護
サビちゃんと出会ったのは、2021年9月1日のこと。自宅の敷地内に数匹の子猫と共に現れた。飼い主さんは保護をしようと、ご飯をあげ、様子を見守ったという。
しかし、子猫たちはその日以降、姿を見せず。サビちゃんだけが、ほぼ毎日やってくるようになった。
「かなり警戒心が強く、試行錯誤の末、2022年12月1日に、ようやく保護できました」
サビちゃんは子猫時代に大怪我を負ったのか、保護時には左前足の中指の肉球と爪が欠損しており、両後ろ足は少し曲がった状態だった。
自宅では、ひとり静かな場所で過ごすのが好きなのだとか。甘えん坊な一面もあるが、過酷な外生活を送ってきたからか、家族に対する警戒と信頼は半々だ。
「ただ、今年に入ってからは一緒に遊ぶことが大好きになったようで、よく催促されます。ゆっくり撫でられるのも好きです」
わずか1時間のあいだに起きた“突然の異変”
異変が起きた2025年6月10日、飼い主さんはまず、不調を隠すかのように離れた場所でうずくまるサビちゃんの姿に違和感を覚えた。触ろうとすると、珍しく威嚇。いつも遊ぶ場所で座っている時には、右後ろ足だけを不自然に上下させていた。
「座りにくそうにも見えました。歩く時は普段とほぼ変わりませんでしたが、立ち止まった時、足を床にチョンチョンとつけたり離したりして、かばうような動きをしていました」
サビちゃんはクッションの上で眠る時も座りにくそうな様子を見せ、横になった途端、激しい痙攣のように足をバタバタ回転させたという。
「突然のことで、とても驚きました。しばらくは呼吸も少し荒かったように思います」
その後、サビちゃんは何度か寝返りを打ち、楽な姿勢を見つけて眠りについた。これらの異変は、1時間のあいだに起きたものだ。
「呼吸も安定して、2時間ほど寝た後にはご飯を食べていました。ただ、その日、遊ぶことはなく、自主的に横になり、安静にしていました」
翌日は普段通りの様子で、右後ろ足の動きに違和感を覚えることもなかったそう。だが、念のため、飼い主さんは動物病院へ。その結果、パテラと診断されたのだ。
動物病院で「パテラ」と診断されて…
サビちゃんの場合は、なんと自力でパテラを治したそう。そのため、治療などは行わなかったが、獣医師からは先天性パテラの可能性があると告げられた。
「今思えば、2〜3ヶ月前から滑らせたように足を落として、頭を掻くのを止めたり、寝そべっている時、たまに足を跳ね上げたりすることがありました。もしかしたら、前兆だったのかもしれません」
サビちゃんは高い位置にある窓から外を眺めるのが好きなため、診断後、飼い主さんは生活環境を見直した。いつも飛び降りる場所にはクッション性の高いマットを敷き、踏み台代わりになる低めのキャットタワーを設置。膝に負担がかかりにくいよう、対処した。
「病名や症状を知れて、安心できました。病名が分かれば、次の方向が決められるから。猫さんは、私たちの知らないところで自然治癒していることもあるたくましい生き物。だからこそ、普段と様子が違うと感じた時は、早めに病院で相談することが大切だと感じました」
通院でストレスを感じる子の場合は、症状が分かる動画を獣医師に診てもらうのも原因を調べるひとつの方法になる――。飼い主さんは自身の体験を踏まえ、そんなアドバイスも贈る。
稀ではあるが、猫もパテラになることがある。その知識を頭の隅に置いておくだけでも、大切な愛猫の異変を早期発見するきっかけになるだろう。