「これが幸せの青い鳥の正体なのかも…!」
先日、SNSへのこんな投稿が話題となりました。
「見た中で一番青かったのはこの個体さん。青さは長く生きた証です。 4K読み込んで、拡大しまくってその尊さを感じてください」
Tadsさん(@ride_and_photo)の投稿には、目の覚めるような鮮やかなブルーの羽を持つ鳥が写っており、16万もの人がその美しさに息を呑みました。
「自然の奇跡ですねぇ」
「この青、尊いです!」
「藍染したのかなって思うぐらい綺麗な色ですね!」
「見るだけで幸せ感ずる『幸福の青い鳥 』」
「伝説のルリビタキマイスター!!!」
「こんな美しい個体がいるなんて」
「羽根の細部拡大しながらじっくり拝見しました」
「この写真を待ち受けにさせてください」と投稿する人も続出したほどの美しさです。バイクに乗って青い鳥の写真を撮りに行くのが趣味というTadsさんに、詳細をお伺いしました。
出会えば幸せになれる!?「青い鳥御三家」
ルリビタキは、北海道・本州・四国の森林に生息し、冬には都市公園でも見ることができます。漢字では瑠璃鶲と書くように、オスは美しい瑠璃色の羽ですが、実はこの羽は生まれた時はオリーブグリーンなんだそう。
ーーいつごろから、青い鳥を撮影し始めたんですか?
「3年前にカワセミを撮り始めたのがきっかけです。 シンプルな理由は『青が一番好きな色だから』なのですが、 青い鳥のほとんどは『構造色』といって光の反射により、色の見え方が変わります。 シーンによって見られるさまざまな美しさに惹かれているのだと思います」
ーー写真のルリビタキは、どこで撮影したんですか?
「都内の公園で撮影しました」
ーー街なかで出会えるんですか?!
「冬場は身近な都市公園でも見ることができます。 鳴き声を予習した上で、近くに水場がある薄暗い場所を探すと、出会える確率があがります」
ーー「ルリビタキは長く生きるほど青くなる」と投稿に書かれていましたが、今回写真に収めた個体は長寿ってことですか?
「専門家ではないので憶測ですが、少なくとも4年以上、長ければ5年以上生きているかもしれません。幼鳥は青色ではなくモスグリーンのような羽色です」
ーーほかに「青い鳥」はどんな種類がいるんですか?
「代表的なところですとカワセミ、オオルリ、コルリ、イソヒヨドリです。 なかでもオオルリ、コルリ、ルリビタキは『瑠璃三鳥、青い鳥御三家』と呼ばれ、特に人気の高い鳥たちです」
それにしても、長生きするほど羽色が青くなるなんて、まさに生物の神秘!
この現象について、約100種600羽の珍しい鳥を飼育している「掛川花鳥園」(静岡県掛川市)の担当者の方にも、お話をお伺いしました。
ーールリビタキはいつ頃から羽色が青になりますか?
「羽根が青くなっていくのは『オス』のみです。生まれて1年は完全にメスと同色のため、ほぼ区別がつかないと言われています。ルリビタキの寿命は、5年前後となるようで、オスは完全に羽色が青くなるまでに約3年かかり、そこから亡くなるまで青い羽で過ごします」
ーー歳を重ねるにつれて青色が濃くなるというのは本当ですか?
「本当ですが、そのメカニズムははっきりと解明されていないようです。専門的には遅延羽色成熟と言われています。今回、Xで話題となった写真の個体は、かなり青みが強いように見えますね。写真なので何とも言えませんが、寿命を考慮すると5歳程度かと思います」
とのことで、写真のルリビタキは厳しい自然界を生き抜いたご長寿バード。まさに、幸運の青い鳥でした!
それにしてもTadsさんの写真は、青い羽の微細な描写まで美しく、眺めているだけで「幸せな気分」に浸れます。Xのアカウントでは、さまざまな野鳥の写真が楽しめます。
ちなみに掛川花鳥園では、野鳥の飼育はしていないとのことで、ルリビタキを見ることはできませんが、ハシビロコウをはじめ600羽もの珍しい鳥たちと、「ごはんをあげる」「一緒に写真を撮る」など、実際に触れ合うことができる貴重な施設です。
Tadsさん
https://x.com/ride_and_photo
掛川花鳥園
https://k-hana-tori.com/
https://www.youtube.com/@kakegawakachoen/featured