フリーマーケットサイト「メルカリ」でギターを売ったら、海を越えて超大物アーティストの手に渡った―。そんな夢のような話が、SNSで注目を集めている。購入者は、再結成を発表した英ロックバンド「オアシス(Oasis)」のギタリスト、ポール・〝ボーンヘッド〟・アーサーズ(Paul 'Bonehead' Arthurs)さん。ネット上では「奇跡だ」「日本公演で使ってくれたら胸熱ですね」などの声が上がっている。
購入者はオアシスのギタリスト
投稿したのは、X名・試奏家タローNEOさん(@shisouka_taro2)。30代のサラリーマン男性で、Youtubeでギターやエフェクターを紹介している。メルカリに出品したギターは、5年前に手に入れた日本製の「Epiphone Casino」。憧れのミュージシャンが使っていたこと、見た目が美しかったことがきっかけで購入した。
ただ、ほかのギターを手にする機会が多くなり、出番が減少。「あまりに美しいギターなのでコレクションとして保持することも考えました。でも、ギターは弾かれてこそ価値のある」と男性。近年は日本製のEpiphone Casinoの評価も高まっており、市場でも知る人ぞ知る人気の機種。たくさん弾いてくれる人の手に渡ればと願い、昨年12月にメルカリに出品したという。
購入した業者はその時点で不明だった。しかし、今年5月末、イギリスのギターショップのインスタグラムに、男性が出品したギターとそっくりなギターが投稿され、ポール・アーサーズさんに譲った旨が綴られていた。「まさかと思い、本人のアカウントを見ると、手放したギターの写真が投稿されていたんです」
本人にメッセージを送ると…
木目の模様や独特なカラーリング…。類似点は多々あったが、決め手は、ギターボディに載せられた弦の取り付け部。新品時点では黒く塗装されていたが、ほとんどが剥がれ落ち、下地のニッケルがあらわになっていた。「カメラロールに残った写真と見比べたところ、剥がれ方も全く同じだったので、私のギターだと確信しました」
若い頃からオアシスのファンだった男性は、「私は日本のオアシスファンで、ギターの前の持ち主です。残念ながら再結成ツアーのチケットは取れませんでしたが…応援しています!大好きなギタリストの手に渡るなんて信じられません。本当に嬉しいです!」とポール・アーサーズさんにメッセージを送った。すると後日、「いいね」ボタンを押してくれ、ギター業者も喜びを反応してくれた。
「手放したギターがどこに辿り着くか、元の持ち主からは分からないものです。その行き先が、自分の人生に大きな影響を与えたバンドのメンバーの手に渡ったことが発覚し、ご本人からも反応をいただけたのが、物語のようです。今回の出来事は私にとって、1996年にオアシスが行ったネブワース公演での大名言『This is history!』です」