近年の健康志向の高まりを背景に、「ノンカフェイン商品」の市場が急速に拡大している。かつて休憩時の定番だったコーヒーも、今では「カフェインの摂りすぎが気になる」と控える人が増え、それに伴ってノンカフェイン飲料の選択肢も多様化している。では、カフェインを過剰に摂取すると、身体にはどのような影響があるのか。カフェインの作用とノンカフェイン商品の広がりを見ていきたい。
集中力UPの反面、不眠・イライラの原因にも
カフェインの作用について、管理栄養士の高橋なつきさんに話を聞いた。
「カフェインには、覚醒作用があり集中力を高めて仕事効率をUPさせたり、気分をリフレッシュさせてくれる効果があります。ただ、過剰に摂取すると不眠や寝つきの悪さにつながったり、イライラの原因や、胃酸の分泌を促進することで胃の不快感や胃もたれを起こすことがあるなどのデメリットも。ひどい場合はカフェイン依存や離脱症状(頭痛・疲労感)を引き起こすこともあります」
適量を守りながら、シーンに合わせて上手に取り入れたい。
妊婦さんにも人気 ノンカフェインチョコ
コーヒーやチョコレートなど、本来はカフェインを含むイメージの商品にも、多様な消費者のニーズに合わせてカフェインレスの動きが。ノンカフェインのチョコレート「Enchamble(アンシャンブル)』を販売する、株式会社SpinLifeの代表取締役社長・中村恒星さんは「元々は、妊婦さんや女性のために開発しました。ノンカフェイン・人工甘味料不使用で、葉酸、鉄、ビタミンB12を豊富に含んでいます。サプリメントのような義務感ではなく、ご褒美感覚で楽しめるチョコレートにこだわりました」と話す。その言葉通り、食べてみるとまるで高級チョコレート!1粒でしっかり満足感もある。パートナーや妊娠中の娘さんへの「ちょっと気の利いたギフト」として覚えておいて損はないはず。
ノンカフェイン飲料も選択肢が多様に
ノンカフェイン飲料も種類が豊富になってきている。サントリーの「グリーン ダ・カ・ラ」ブランドでは、定番の「やさしい麦茶」、「やさしいルイボス」に加え、「やさしいコーン茶」を4月に発売した。3種類ともノンカフェイン・無糖で、クセがなく、ごくごく飲めるのが特徴だ。サントリーの担当者によると「ルイボスティーは女性が好むイメージが強いですが、意外と社内では男性ファンも多い」んだとか。確かに、この華やかな香りはクセになるかも。仕事中のリフレッシュにも良さそうだ。
新発売のコーン茶は食欲誘う甘香ばしさ
「コーン茶」については、まだ馴染みのない方も多いのでは。とうもろこしを焙煎したお茶で、韓国料理屋で提供されることも多い。「やさしいコーン茶」は、北海道産とうもろこしを100%使用、高温・低温の2種類の焙煎コーンをブレンドするなど風味の良さにこだわった。飲んでみると、お祭りの屋台の焼きとうもろこしのような甘香ばしい香りが広がり、なんとも食欲を誘う!やさしいシリーズ共通のクセのない飲みやすさと、すっきりとした後味はそのままなので、和洋中どんな料理にも合わせられそうだ。
以前は、ノンカフェイン茶といえば麦茶ぐらいしか思い浮かばなかったが、これだけ種類が豊富になると心強い限りだ。特にこれからの暑い時期、屋外での活動時などは「ガブ飲み」してもカフェインの摂りすぎを気にしなくて良いのは、大きな利点ではないだろうか。
◆中口のり子 芸術系大学卒業後、出版社にて地域情報誌の企画提案や取材などを担当。結婚・出産を経て、デザイナー&ライターとしてフリーランスに。ラジオ関西の情報サイト「ラジトピ」への寄稿ほか、大阪・兵庫を中心に活動。グルメから美容まで、最新の流行がいち早くキャッチできるこの仕事は天職!?