「この子は放置されているのではなく、栄養を蓄えに行っているお母さんが帰って来るのを大人しく待っているのです。
可哀想……とさわったり抱っこしないで下さい。
本人は一生懸命 隠れているつもりなので、見て見ぬ振りでお願いします
(この子のお母さんはすぐ側にいました)」
奈良市内の県立奈良公園で木の根元に横たわる子鹿について注意喚起する投稿がX(旧Twitter)で話題になりました。
投稿したのは、同公園を散歩しているという「奈良ならでは」さん(@Lp5iwcdqhB4Vbs6)。写真の子鹿は、木の根元に隠れて母鹿を待っているとのこと。母鹿と離れ離れになってしまっているわけではないことを訴えています。そんな訴えに、さまざまな感想や意見のコメントが飛び交っています。
「一生懸命隠れてるつもりなの可愛すぎますね」
「これからお留守番するバンビが増えますね 離れて見守らせてもらいます」
「子鹿には絶対に触らない、鹿せんべいあげないでください。人の匂いがついて育児放棄して死にます」
「匂いよりも、人の存在や行動が親動物にストレスを与え、結果的に育児に影響を与える可能性があるそうですよ」
「カワイイ動物には触れたくなるのが人の性。ましてやわざわざ外国から目当てにやって来た外国人なら、罰が無ければ触って写真を撮り、それを自慢にしたいのが観光客というもの。余程強い周知が無いと注意しても聞かない人や民族が相当いそうな気がします」
同公園の子鹿について、「奈良ならでは」さんに聞きました。
「はぐれていました」と子鹿を抱いて連れてくる人も…
──国の天然記念物「奈良の鹿」たち。今回子鹿について投稿しようと思ったのは。
「子鹿ちゃんがかわいかったので思わず撮影していたのですが…そこで以前、ひとりぼっちでいる子鹿ちゃんを見つけた方が母鹿とはぐれて迷子になったと思ったのか、公園から近いお店にまで子鹿を抱っこして連れてきてという話を思い出したんです。子鹿ちゃんはひとりぼっちでいても、母鹿が戻って来るのを待っているだけではぐれてしまったわけではないということを知ってもらおうと投稿しました」
──撮影時、子鹿はどんな様子だった?
「ちょこんと座っていました」
──母鹿はご飯を食べにいったとか。
「はい。近くで草を食べていました。私も近付いて、持っていた鹿せんべいをあげました」
──インバウンドで海外からきた観光客の方で公園がにぎわっているそうですが、鹿に対して迷惑行為などをする観光客もいるようですね。
「インバウンドに限らずですが、観光客が鹿せんべい以外の物をあげたり、あるいは鹿せんべいをあげても焦らしたりして、なかなかあげないでねだられ服をかまれているのをよく見かけます。特に注意してほしいのは、子ジカに近付いたり触ったりしないこと。というのも、子鹿のお母さんはとてもナーバスで、子鹿を守るために人や犬などに攻撃してくる時もありますから、注意が必要です。また子鹿はまだ鹿せんべいを食べることができないのであげないでください」
──「奈良ならでは」さんは鹿のことをよく観察されているようですが、奈良公園で散歩するようになったのは。
「私はサービス業のパートをしているのですが、コロナ禍で仕事が減ってしまったことをきっかけに、空いた時間などに奈良公園の散歩を始めました。そこで鹿さんのかわいさにハマって。今でもお休みの時やパート前のちょっとした時間に奈良公園に行き、鹿さんのかわいい姿を撮っています」
現在「鹿愛護会」「鹿サポーターズクラブ」などの団体が、鹿に関する注意喚起を含めた広報活動をされているとのことです。