マレーシアの熱帯雨林で、世界最大の花と言われる「ラフレシア」の匂いを嗅いだ動画が、SNS上で話題になっている。一生の大半をつる植物の中に隠れて過ごし、花の見頃はたった2~3日。アニメ「ポケットモンスター」のキャラクターでもお馴染みで、訪れた男性たちも子どもから憧れだったという。「めちゃくちゃ臭い」とされる、その匂いとは―。
ゾウやトラも暮らすジャングル
世界中の生物を記録する探検家で、雑誌「季刊奇蟲」の編集長・外村康一郎さん(@Gaison64)。友人の生物写真家・眼遊さん(@ganyujapan)、Youtuberのうごめ紀さん(@UgomekiMushi)とともに4月、マレーシア東海岸に位置するクランタン州に訪れた。クアラルンプール国際空港から車で8時間ほど、自分たちで運転していった。
外村さんによると、ラフレシアは、植物の基本的なパーツである根も葉も茎もない。また、葉緑体も持たないため、光合成ができない。そのため、ブドウ科の植物に寄生し、ほかの植物が作り出した栄養を奪って生きているという。
今回訪れた熱帯雨林は、ゾウやトラも暮らす未舗装のジャングル。時折、スコールが降り注ぎ、地面がぬかるむ。そんな中、何本も川を渡り、草木を掻き分けて進むと、つぼみを次々に発見。人の頭よりも大きなものがニョキっと生えており、外村さんらは「大きい」「惜しい~」と大興奮。しおれて黒くなったラフレシアの花も見つけ、匂いを嗅ぐと、「おぇっ、樹液が腐った感じ」と盛り上がった。1日探しても、見頃の花は見つからなかった。
「うへうふぇっっ。ま゛ぁ~」
2日目は、現地の人の案内もあり、直径80センチの立派なラフレシアを発見。花びらは横から見ると、生ハムやサラミみたいな質感のよう。穴にはハエがうじゃうじゃ。
そして、実際に嗅ぐと…「うへうふぇっっ。ま゛ぁ~」とせき込み、「魚介が腐ってたくわんを混ぜたみたいな匂いがする。くせっ。こりゃハエが集まって来るわ」と外村さん。
「 やっぱり!という気持ちです。でも興奮しているので臭いのに口角が自然と上がってしまい、変態になってしまったんだなと思いました。 今でも生ゴミの匂いを嗅ぐと口角が上がってしまいます」と話した。