「洗濯機が爆発する!?」洗濯機で洗うと、とんでもないことに…なぜ?専門家とメーカーに聞いた

東寺 月子 東寺 月子

先日、洗濯表示OKとなっている防水シーツを洗い、洗濯機が爆発して家の壁が壊れたという衝撃的なSNSへの投稿が、話題となりました。

「洗濯機の蓋が吹っ飛んでる」
「洗濯機が壁にめり込んだってこと?!」
「防水シーツもレインコートも何も気にせず洗濯してた」
「防水系の生地は、洗濯機に入れてはいけないのか。憶えておかなきゃな」

ショッキングな内容に、ネット上でもさまざまな反応がありました。

その中に「NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)の洗濯実験動画が恐ろしい!」というコメントがあったので注目してみると…。

動画では、防水生地の自転車カバーを洗濯機で脱水しているのですが、脱水が始まると3秒ほどで洗濯機自体が揺れはじめ、機械が横回転。さらには大暴走する衝撃の映像が収められています。

まさに、洗濯機がブレイクダンスをしているよう!

梅雨が始まるこれからの季節は、防水生地を使ったレインコートやシーツなどの製品の洗濯による事故が増えるそう。この動画を作成したNITEの担当者の方に、注意点を伺いました。

洗濯機のバランスが崩れる理由は水にアリ

ーー防水生地を洗濯機で洗う&脱水すると、なぜ洗濯機は破損したり、回転したりするのでしょう?

「以下の2つの要因が考えられます。

①防水性の衣類や生地が、洗濯槽の水を布で抱え込んでしまい、排水のタイミングで排水できず洗濯槽に水が残ってしまうため。洗濯機の中に水が残ったまま脱水すると、溜まった水が急激に移動し洗濯槽の回転バランスが崩れてしまいます。その結果、洗濯機が異常振動を起こし、洗濯機自体が回転してしまうという事態になることが。

②防水性の衣類や生地が、洗濯槽に貼り付いて脱水用の穴を塞いでしまい、脱水できるところと脱水できないところができてしまうため。結果、洗濯槽の回転のバランスが崩れ、洗濯機が異常振動を起こして、洗濯機自体が回転してしまう事態に」

ーー「洗濯槽に穴がない洗濯機なら大丈夫」という意見もありますが…

「前述の①、防水生地で水を抱え込み排水できない状況は起こり得ると想定できるので、大丈夫だとは言えないと思います」

ーー防水生地は「ネットに入れればOK」「他の洗濯物と一緒に洗えばOK」という意見もありますが、これは本当ですか?

「『ネットに入れる』=『小さくなる』ので、生地が抱え込む水量が少なくなったり、洗濯槽の穴をふさいでもふさぐ面積が小さくなります。また、『他の洗濯物と一緒に洗う』=「隙間ができて水が抜ける通り道ができる』、という理屈をおっしゃっているのだと推察しますが、必ずしも水が急激に移動したり、偏って水がぬけることは防ぎきれるものではないと思いますので、お勧めはいたしません」

確かに理屈を説明してもらうと、防水生地は洗濯機で洗うのはNGだと感じます。そんななか、「洗える防水シーツ(BSH-9M、BSH-10LS)」なるものが、アイリスオーヤマから発売されていると発見。

これは家庭用の洗濯機で「洗える」のか?!詳細についてアイリスオーヤマの担当者に話を伺いました。

「洗える防水シーツ」は、洗濯機では洗えません!

ーー御社には「洗える防水シーツ」がありますが、洗濯機で洗ってOKですか?

「洗濯機で洗うことはNGです。製品のパッケージや品質表示タグにも、『洗濯機や衣類乾燥機は使用しないでください』と記載しております」

ーー手洗いならOKという意味でしょうか?

「そうです。弊社の防水シーツは『洗える』=『手洗いできる』ということで、『洗濯機で洗える』という意味ではありません。

弊社商品の『洗える防水シーツ(BSH-9M、BSH-10LS)』は、表面がタオル地で裏面にポリウレタン加工を施しており、繰り返し使用できます。一方で洗えないタイプの防水シーツは、不織布と吸収素材を使用した使い捨てタイプです。万が一のモレや食べこぼしなどに備える場合は、洗えるタイプがおすすめ。使い捨てタイプは漏れる量が比較的多い場合や、旅行や外泊時などにもおすすめです」

ーーほかにも「洗える防水シーツ(BSH-9M、BSH-10LS)」を洗濯する際に、気をつけるべき取り扱い方法はありますか?

「弊社の製品の取り扱いには以下のような点は、ぜひ気を付けていただきたいです。
・漂白剤は使用不可
・洗う際は、中性洗剤を使用
・防水加工の性能が低下するおそれがあるため、手絞り時は軽く絞るのがおすすめ
・変色の恐れがあるため、直射日光を避け日陰干しに
・色落ちの恐れがあるため、他の製品と一緒に洗わないこと

その他にも、パッケージの『お手入れ方法』や『使用上の注意』、品質表示タグの『お取り扱い方法』に記載の内容についてご注意ください」

2024年から洗濯表示マークが変わったので要注意!

昨年、2024年から洗濯表示マークが変更となりました。よく見ると、見覚えのないものもあるのでは? 消費者庁のウェブサイトでも詳しく紹介されいているので、改めて洗濯表示マークをきちんと確認するのがおすすめです。

防水生地を洗う時は、必ず洗濯表示を確認を。洗えるものは、手洗いと手絞りできれいにしてください!

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)
https://www.nite.go.jp

アイリスオーヤマ
https://www.irisohyama.co.jp

消費者庁
https://www.caa.go.jp

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