「子どもが犬アレルギーになったので、飼っている犬を手放したい」。動物愛護団体、アイドッグ・レスキュー隊の元に、またこんな相談が持ちかけられました。
団体代表はこの相談を受けて、「もしかしたらポメラニアンではないか」と直感しましたが、まさにその通り。飼い主が手放したいと言う犬種はまさにポメラニアンでした。
小さい子どもがいる家庭では特に念入りな「犬種選び」を
代表が過去に何度も「子どもの犬アレルギー」が原因で引き取ったワンコの多くがポメラニアンでした。代表は「あくまでも私の肌感覚だ」としながらも、「その原因はポメラニアンの毛が抜けやすさにあるのではないか」「特に小さい子どもと一緒に過ごすために飼うワンコは毛が抜けにくい犬種が無難だ」とも。
こういった場面で一番悲しい思いをするのはワンコです。小さな命を預かる以上、これくらいの考慮は必要でしょう。
団体が引き取ることにしたポメラニアンは推定年齢4歳ほどのメスのチャコ。くったくのない笑顔がかわいいワンコですが、飼育放棄を決意した飼い主からさらに驚くべき事実を明かされました。
4年間、病院にも散歩にもほとんど連れて行かれなかった
「飼い始めてから4年間、病院にも散歩にもほとんど連れて行っていない」という事実です。前述のような「毛が抜ける犬種かどうか」の確認は、知識不足で怠ることがあるのはまだ理解できますが、病院にも散歩にも連れて行かないというとは、ネグレクトといえるでしょう。
でも、そんな状況が続くよりも、まだ飼い主が「手放す」選択をしてくれたほうが当のワンコにとっては幸せなことかもしれません。団体では保護後、献身的にチャコのお世話をし、幸せな第二の犬生へのサポートを続けることにしました。
さっきまで遠くにいたのに気づけば足元にいる
幸い、チャコは保護当初から元気ハツラツで、実に活発なワンコでした。すばしっこくもあり、さっきまで遠くにいたのに、気づくと足元にいたりすることもあり、さながら「距離をワープをするポメラニアン」のようにも映りました。
また、ジャンプ力があり、うれしいとピョンピョン飛び跳ねるのですが、ときに飛び跳ねすぎてゲートを飛び越えてしまうこともあり、そういった際は一瞬「あれ? 私、何かやりすぎちゃいましたかね」と真顔になるのもチャコのかわいいところ。その一挙手一投足を前にした人は、誰もが目を細めてしまうオチャメなワンコでした。
距離だけでなく幸せもワープしてゲット!
チャコがうれしそうに過ごす姿は満足に散歩にも連れて行ってもらえなかった日々を挽回するかのようにも映りました。そして、保護から約1カ月ほどにして新しい里親さんとの縁も結ばれました。
移動するのもワープなら、幸せを掴むのもワープなチャコ。本当に良かったと思いましたが、団体の元を巣立っていく日の晩は、遊びすぎて疲れたのかグッスリスヤスヤ。そのかわいい寝顔の奥では、お世話してくれた人々との日々を思い返しているようにも映りました。
アイドッグ・レスキュー隊
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