電車の中で「すごく見られている…」遊んでいたのは「初代ゲームボーイ」!?今も現役、その秘密とは?

竹中  友一(RinToris) 竹中 友一(RinToris)

「周りの人にすごく見られている・・・」

電車の中などで、手持ち無沙汰でスマホをいじったり、ゲームをしたりする人を見ることは珍しくありません。

ですが、それが昔懐かしのゲーム機だったら――?

X(旧Twitter)にそんなポストをされたのは、ゲームボーイや、レトロゲーム関連のサービスを展開するヒミツノバのX公式アカウント(@himitsunova)です。

ある日のこと、ヒミツノバ代表・角田さんは電車に揺られていました。椅子に座りながら遊んでいたのは、なんとNintendo伝説の携帯型ゲーム機、初代ゲームボーイではありませんか。

ひと目でそれだと分かるフォルム――これは周囲の人にじろじろ見られても仕方ありません。

さらに、ゲーム機の画面に映っているのは、今も人気の高い「カービィシリーズ」の第一弾ソフト『星のカービィ』。これは、オールドファンには感涙モノでしょう。

レトロゲームを電車の中でプレイして、周囲の注目を集めてしまったという角田さん。Xのリプ欄にも多くの反響がありました。

「こんな綺麗なゲームボーイ30年ぶりに見た」
「声かけたくなっちゃうかも」
「ほんの35年前は普通だった」
「逞しいボディの厚み、バッテリー赤ランプ、誰もが見ますよ。過去にお世話になってるのですから」
「ワンダースワンでも同じようなことになりますw」

角田さんにお話を聞きました。

――初代ゲームボーイで遊ぶことは、よくあるのですか?

角田さん:今現在も移動中や仕事の合間、息抜きに遊んでいます。

――具体的に車内の皆さんはどのような様子でしたか?

角田さん:私は40代前半ですが、同年代ぐらいの方々からは、「ん?ゲームボーイ?」、「でもまさかな」のような感じで二度見されることが多く、一方で小学生ぐらいの子供たちからは、「あの人は何のゲーム機を持っているんだろう」というような、不思議そうな目で見られることが多いです。

――声をかけられたりすることも…?

角田さん:「それ、もしかしてゲームボーイですか?実物を初めて見ました。ありがとうございます」、「懐かしくて思わず声をかけてしまいました」、といった声掛けされたことは何度かありました。

懐かしのゲーム機を現代仕様に!

携帯型ゲーム機として、一大ブームを巻き起こしたゲームボーイシリーズですが、そのなかでも初代ゲームボーイが発売されたのは1989年のこと。

リリースから35年以上も経つにもかかわらず、角田さんの持っている同機はまるで新品のように綺麗。ゲーム画面も驚くほどに鮮明に映っています。

実際に、Xのリプ欄にも、「こんなによく見えるゲームボーイ…!」、「ありえねーくらいに画面が鮮明なんだが…」などm、驚きのコメントがありました。

実は、これには秘密が――。

角田さんが運営するヒミツノバでは、既存のゲームボーイ商品の改造や、調整などをサービスとして展開しています。その技術を使って、角田さんはこのゲームボーイを新たな仕様に生まれ変わらせていたのです。

ゲームの液晶画面は、従来のものからテレビやパソコンにも使用されるIPS液晶に変更。これによって、画面がより鮮明になったとのこと。また、当時のゲームボーイは、バックライトが搭載されておらず、暗所や強く光が当たる屋外などでは、画面が見えづらいというデメリットがありました。しかし、これもIPS液晶に変更することで、そのような場所でも見やすくなりました。そして、OSDメニューも搭載され、輝度やコントラストなどを自分好みに微調整することも可能になっているといいます。

さらに、音質のクリア化や最大音量値の増加といったサウンド回りのカスタムや、従来の乾電池駆動からUSB Type C給電へのバッテリー駆動の変更も。ベースとなる本体の経年劣化を解消するため、電源周りやボタン、コンデンサなどの消耗品のメンテナンスも、必要に応じて行っているといいます。

長年のゲームボーイ愛がコロナ禍の危機を救った

最新の技術によって、ゲームボーイを現代にも通じるゲーム機へと生まれ変わらせている角田さん。

なぜ、このような事業を行おうと思われたのでしょうか?

もともと趣味でゲーム機の改造は行っていたという角田さん。しかしながら、当初はそれを事業にするとは、まったく考えていなかったとのこと――。

「脱サラしてレディースアパレルブランドを作る予定があり、その最初の商品として水着やラッシュガードをリリースする準備を進めていました」(角田さん)

中国の生産工場や商品のデザインも決まり、着々と事業開始に向けて準備を進めていた角田さんでしたが、その矢先に新型コロナウイルスが蔓延。外出自粛や海外渡航禁止となり、出鼻を挫かれることになってしまいました。

「別事業へのスライドは検討していましたが、同時に目先の生活費を捻出しなくてはいけないということから、元々趣味で行っていたゲーム機の改造に目を付け、フリマアプリなどでカスタム品の出品を行ったところ反響が大きく、事業としてやっていけるのではないかと自身のWEBショップを立ち上げ今に至ります」(角田さん)

コロナによって、一時は危機に立たされた角田さんでしたが、思わぬ形で趣味だったゲームボーイに助けられることになりました。

そんな角田さんにとって、ゲームボーイの魅力とは…?

「ゲームボーイの魅力といえば、今なお名作と呼ばれるゲームソフトのラインナップもありますが、それだけでなく、ゲーム機本体のフォルムそのものも魅力の一つだと思っています。特に初代ゲームボーイは誰が見ても一目でそれだと分かる存在感があります。そんなエモさのようなものが、ゲームボーイの魅力なのではないかと思います」(角田さん)

  ◇  ◇

ヒミツノバでは、ゲームボーイの魅力を伝えていくべく事業を展開。本体やカスタムパーツ、遊び心のあるアイテムなど、さまざまな商品やサービスをリリースしていく予定とのことです。

「ゲームボーイで遊んだことがある世代の方以外にも、当時の本体やソフトに触れ、今のゲーム機とはまた違った奥深さや魅力を体験していただきたいと思っています。レトロゲームは日本が世界に誇れる文化です。ヒミツノバがその文化を長く残すためのきっかけになれれば、これほど嬉しいことはありません」(角田さん)

■ヒミツノバ/HIMITSUNOVAのX(旧Twitter)公式アカウントはこちら
 →https://x.com/himitsunova

■ヒミツノバのホームページはこちら
 →https://www.himitsunova.com/

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース