先代猫が亡くなった後、駐車場で必死に鳴いていた子猫を保護 やんちゃな〝甘えん坊〟に振り回され…かけがえのない存在に

梨木 香奈 梨木 香奈

2013年6月、まだ子猫だった「ミーコ」さんは、新たな猫生を歩み始めました。お迎えしたのは、X(ツイッター)ユーザー・今日のミーコさん(@MIKO_TAKETSURU)です。

飼い主さん家族は、2カ月ほど前、妻が結婚前から育てていた先代猫「ココア」ちゃんが虹の橋へ見送り、悲しみに暮れていました。そんなある日、夜更けに外から猫の鳴き声が……。それをきっかけに、再び、日常に光が差し込むことになったのです。

ひとりぼっちで駐車場にいた子猫を保護

「ニャーニャー」という猫の鳴き声に気づいた飼い主さん家族は、あわてて外へ。周囲を探し回りましたが、猫を見つけることはできませんでした。

「翌日の夜、娘がふと外を見ると、駐車場に猫がいることに気づいたんです。あわてて家族みんなで駐車場へ行くと、そこにひとりぼっちの子猫がいました。それがミーコとの出会いです。男の子で、生後推定2カ月ほどでした」

先代猫の残したドライフードで誘ってみたものの、ミーコさんは警戒して車の下に逃げ込んでしまいます。そこで、飼い主さんは手を伸ばしてみたところ、何とか猫の体に届き、保護することができました。

「ココアを亡くして家族みんな悲しんでいたときに訪れた出会いでした。とても運命的なものを感じ、『何とか保護しなければ』という気持ちだったのを覚えています」

こうしてミーコさんは、新しい家族の一員になったのです。

家での新しい生活とミーコさんの成長

保護したその日、ミーコさんは怖がって、テレビラックの後ろや隙間に隠れてしまいました。しかし、翌朝にはまるでずっと一緒に暮らしていたかのようにリラックスした様子を見せてくれるようになったそうです。

「私の腕を枕にしたり、足の間に挟まって眠ったりと安心しきった様子でした。妻のそばでは無防備なポーズで寝始め、娘とは猫じゃらしで遊ぶほど仲良しになりました」

その後、ミーコさんはどんどんやんちゃになっていったといいます。

「うっかり背中を見せると、足首に飛びかかってガジガジ……! 娘はまだ小さかったので遊び相手として認識されたようで甘噛みをされて大変でした。先代のココアは、とてもおとなしい子だったため、野生児のように元気いっぱいなミーコに家族みな振り回されたのを覚えています。それでも、ミーコのお世話を通して、より一層、猫好き家族になりました」

日を追うごとに、ミーコさんと飼い主さん家族の距離は縮まり、絆も深まっていきました。

当たり前のことに感謝する日々

ミーコさんは、現在11歳を迎えました。

飼い主さんによると、甘えん坊でかまってっちゃんになったそうです。

「私は自宅で仕事をしています。仕事内容の都合上、仕事部屋のドアを完全に閉め、ミーコが入れないようにしなければなりません。ところが、ドアの向こうからしょっちゅう私を呼ぶので、甘い私はすぐに仕事を中断してミーコの相手をしてしまい、なかなか仕事が進みません。私が仕事部屋に向かおうとすると、足元にゴロンと寝そべり、全力で阻止しようとします」

実は、飼い主さん家族はミーコさんをお迎えした翌年、もうひとり保護猫の男の子「竹鶴(タケ)」ちゃんを家族に迎え入れました。タケちゃんがおうちにやって来てから、ミーコさんのやんちゃぶりは落ち着き、穏やかな日々を送っていたといいます。

ところが、一昨年、タケちゃんが脳の病気にかかっていることがわかりました。思うより、病気の進行は早く、数カ月ほど闘病したあと、タケちゃんは9歳でお空へ帰ってしまったのです。

「タケちゃんができなくなることが増えていく中で、たまにごはんを食べることができたり、トイレに行くことができたりしたときは、『えらいね、おりこうだね』と褒めていました。当たり前にできると思っていたことがこれほどありがたいことだったのだと気づいたのです。今、ミーコには、何気ないことでも『えらいね。かわいいね』といっぱい話しかけるようにしています」

「助けてあげたかった」とタケちゃんへの思いを語る飼い主さん。その悲しみは今も続いているといいます。そして、ミーコさんへの思いをこう語ってくれました。

「ミーコには、タケちゃんのぶんまで長生きしてほしい。それが何よりの願いです」

ミーコさんとの出会いをきっかけに、タケちゃんとのご縁が結ばれ、ともにかけがえのない時間を過ごして来た飼い主さん家族。その幸せな思いではこれからもずっと消えることはありません。ミーコさんと飼い主さん家族の幸せを、タケちゃんはお空の上から願ってくれていることでしょう。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース