みなさんは「書店に行くとなぜかトイレに行きたくなる…」という経験はありませんか。 この現象は古くからあり、1985(昭和60)年に経験談を投稿した青木まりこ氏の名前から「青木まりこ現象」と呼ばれています。森永乳業株式会社(東京都港区)が実施した「令和の青木まりこ現象調査」によると、約4割の人が同現象を認知しており、実際に経験したことがある人は約3割にのぼることがわかりました。
調査は、全国の20〜60代の男女1000人(性年代均等割付)を対象として、2024年10月にインターネットで実施されました。
同社によると、なぜ書店でトイレに行きたくなるのかという理由は明らかにされていないといいます。そこで、まず「”青木まりこ現象”を知っていますか」と聞いたところ、「現象の名前を知っている」は8.9%、「現象は知っているが、名前は知らない」は31.0%となり、およそ4割の人「青木まりこ現象」を認知していることがわかりました。
さらに、「”青木まりこ現象”の経験」については、全体の約3割が「書店に行くと便意をもよおしトイレに行きたくなることがある」(いつも感じる6.5%、時々感じる23.3%)と回答。これを性年代別に見ると、男性(27.2%)より女性(32.4%)がやや多く、60代(22.0%)がやや少ないものの、性別や年代に関係なく現象を経験する人が3割前後みられました。
なお、同社の公式X「森永乳業@もーりー(@morinaga_milk_)」には「青木まりこ現象の経験」について、2024年11月10日から12日の48時間で2万2594件の回答が集まり、「本屋でトイレに行きたくなる」などの共感の声や体験談が1万2833件寄せられているそうです。
次に、「お通じの悩み」について聞いたところ、全体の約4割が「お通じの悩みがある」(39.6%)と回答。そのうちの46.0%が「青木まりこ現象」を経験しており、お通じ悩みがない人(19.2%)の約2.4倍にのぼることがわかりました。
そこで、「青木まりこ現象」を経験したことがある298人に、「書店に行くことでお通じの悩みが解消されたことがありますか」と尋ねたところ、23.8%が「解消されたことがある」と答えており、「お通じに慢性的に悩んでいる」(46人)と答えた人では45.7%と半数近くとなりました。
続けて、「書店でどんなときに現象が起こりやすいですか」と尋ねたところ、「本を探して書店内を歩き回っている時」(34.6%)、「本をパラパラめくっている時」(29.2%)、「書店に立ち入った時」(27.2%)などが挙げられ、滞在時間との関連性は薄いことがうかがえました。
さらに、「現象が起きやすい書店のタイプ」としては、「大型書店」(56.7%)が圧倒的に多く、次いで「ショッピングモール内の書店」(25.5%)、「街中の小さな書店」(22.5%)、「古本屋」(20.5%)が続きました。
他方、「書店以外に行くだけでトイレに行きたくなる場所」について全回答者に聞いたところ、書店以外で「”青木まりこ現象”が発生する場所がある」と答えた人は25.8%でした。
「行きたくなる場所がある」と答えた258人に具体的な場所を聞くと、「ドラッグストア」(27.5%)、「家電量販店」(19.0%)、「スーパーマーケット」(17.4%)が上位に挙げられました。
また、「書店以外で便意をもよおす要因」について、書店以外でトイレに行きたくなる場所がある258人に聞いたところ、「ニオイが関係している」(35.7%)、「空気内の物質」(19.0%)、「音楽や雰囲気」(18.6%)といった回答が上位に並びました。
ちなみに、書店以外でトイレに行きたくなった際のエピソードを教えてもらったところ、「映画館で水が出てくるシーンを見ると行きたくなる水音現象がある」「歯医者さんの待合室で歯を削る音が響くとソワソワして必ずトイレに入るので、私にとってはドリルの悪夢現象です」など、独自の「青木まりこ現象」エピソードが寄せられました。