福岡市都心部で出土した石垣の遺構がSNS上で大きな注目を集めている。
「先日、福岡市営地下鉄 赤坂駅付近を歩いていたところ、今まで駐車場だった土地に仮囲いができたことに気が付いた。しかし建築工事のそれにしては作りが簡素だ。これはたぶん… と思いながら中を覗くと」とその模様を紹介したのはタケさん(@take_all_a)。
赤坂駅は関ヶ原の戦いの功績で筑前(福岡県西部)に加増・移封された黒田長政が1601年に築いた福岡城と目と鼻の距離にある。「この遺構がその石垣ではないか」と推察するタケさんにお話を聞いた。
ーーこの光景をご覧になったご感想を。
タケ:現代と過去が繋がっていることを、発掘現場から改めて実感できて感動しました。
ーー今後の調査や保存について希望することは?
タケ:おそらく何かのビルが建って遺構は解体されると思います。それは仕方がありません。ですがもし可能なら、ビルのエントランスに石垣の一部を再現するなど、歴史に配慮したデザインにしていただければ嬉しいです。
ーー投稿への反響について。
タケ:これほどの反響はほとんど初めてで驚きました。みなさん、お城や石垣が大好きなんだなとよく分かりました。
◇ ◇
遺構を調査中の福岡市経済観光文化局文化財活用部埋蔵文化財課にもお話を聞いた。
ーー出土の経緯を。
担当者:この周辺は建設工事をする前に事前調査が必要な地域となっております。今回は民間業者が建設工事をするにあたり福岡市が発掘調査の依頼を受けました。
ーー出土した石垣等は福岡城の遺跡と考えてよろしいでしょうか?
担当者:はい。福岡城の内堀の、おそらく北東の隅にあたる部分の石垣ではないかと考えております。
ーー今後の調査計画や発掘された遺跡の処置について現状決まっていることは?
担当者:堀や石垣の規模、構造について来年1月末までの調査を予定しております。その後の処置については調査を終えるまでまだ何とも言えないところです。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「帰省した折に利用する駅です。このような遺構があるとは知りませんでした。次に帰る際にはゆっくり見て回ろうと思います」
「最近このあたりは開発具合がひどくて、とにかくビルとかマンションがガンガンスクラップされてるので、ちょっと苦々しく思ってたのだけれ囲いの意味まで考えてなかったな…今度通ったときちらっと見てみようかな。いろんな知識があると、同じ景色も違ってみえるんだなー」
など数々の驚きの声が寄せられた今回の投稿。
なお今回紹介した遺構の付近、明治通り沿いにはすでに発掘された堀の石垣を見学できる「福岡城跡堀石垣保存施設」がある。土曜、日曜の10~17時のみ公開だがご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。
タケさん関連情報
Xアカウント:https://x.com/take_all_a