50代男性が語る「妻と違う安らぎ求めた代償」 “ダブル不倫”が残した深い傷「こんなに苦しむなら…」

長澤 芳子 長澤 芳子

都内で妻と2人で会社を経営している50代男性のAさんには、妻には言えない秘密がありました。それは2年前から妻には内緒で愛人がいることです。愛人のBさんは隣の県に住んでいる40代の女性で、スナックで働いています。

先日筆者にAさんから連絡があり、Bさんと別れて落ち込んでいるという話を聞きました。世間的には許されない不倫関係を終わらせたのだから良かったと伝えるも、終わってからの方が大変だというAさん。そんなAさんにBさんとの不倫関係について詳しく聞きました。

ーBさんとの出会いは何がきっかけですか

Bさんと出会ったのは、取引先に連れられて彼女の勤めるスナックに行ったのがきっかけです。普段はあまりそういった店にはいかないのですが、取引先がどうしてもというので断れませんでした。

店に入りBさんが私の横に座り話し込んでいるうちに、最近感じていなかった安らぎを味わいました。妻とは一緒に会社を経営していることもあり、男女というよりは仕事仲間という関係になっていて、家にいても安らぎは感じなかったのです。

ーそれから店に通いつめて親密になっていったわけですね

実はBさんには夫がいるのですが、夫婦関係は上手くいってない様子でした。お互いが配偶者に対する不満を話したりしている内に意気投合し、いつしか私はBさんに対して好意を抱くようになりました。

何度かBさんにアプローチをしたのですが、最初ははぐらかされるばかりです。3カ月ほどしてようやく連絡先を教えてもらい、そこからLINEの交換をするようになったのです。

こうなると気持ちが止まりません。電話でも話すようになり、男女の関係になるのに時間はかかりませんでした。それが2年前のことです。

ーではなぜ別れることになったのですか

Bさんがスナックから独立し、自分で店を持つようになったのです。彼女に寄ってくる男性が増え、そこには私よりも若くて羽振りのいい人もいました。彼女からすれば、私のことが徐々に不要と感じるようになったのではないでしょうか。この頃からBさんはプレゼントや出かける店に対して「安っぽい」と不満を言うようになってきましたから。

そして先日「もう終わりにしましょう」とLINEが送られてきました。何度か思いとどまるようにメッセージをしましたが、ついにはブロックされてしまいました。

ー大事になるまえに別れてよかったのではないですか

頭ではそう考えるようにしているのですが、心がついてきません。彼女と行った場所を通ると楽しかった日々を思い出してしまい、喪失感に襲われます。今ではうつ状態のようになってしまい、夜も睡眠薬が手放せなくなってしまいました。

ダブル不倫は世間的に非難をされても仕方がないことです。だから友人たちに胸の内を吐露することも、相談もできません。もちろん妻に言うわけにもいきません。誰にも言えない心の傷を、ひとりで乗り越えないといけないのです。時間が癒してくれるかもしれませんが、本当に苦しくて仕事も手につきません。

「こんなに苦しい最期が待っているなら、最初から不倫なんてしなければよかった」そうAさんは言い残して、うつむき加減で街中に消えていくのでした。

なお、占い専門のWebマガジン「zired」が不倫経験者約200名を対象としたアンケート結果を2023年7月に公開しています。これによると、ダブル不倫の割合は全体の約3割でした。また一般の不倫では約6割が「辛い恋愛」と表現しているのに対し、ダブル不倫では約5割が「楽しい恋愛」と表現していました。

通常の不倫よりも「楽しい」と表現する割合が多いものの、実際に別れを経験するとAさんのように辛い気持ちを抱いてしまうものなのでしょう。Aさんのような後悔をしないためにも、踏みとどまる勇気が大事なのかもしれません。

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