お盆の最終日、玄関に臭い汁を撒いて先祖を追い返す京都の謎の風習「追い出しあらめ」が話題です。
京都のおばんざいにも使われる海藻の一種、あらめ(荒布)のゆで汁を玄関などの門口に撒くと、ご先祖様がこの世に未練を残さず冥土に帰れるとのこと。
浴衣姿でゆで汁を豪快に玄関に撒く様子をXに投稿したのは、京都で扇子屋を営む大西常商店の大西里枝さん。京町家の年中行事ガチ勢である大西さんに、謎の行事について話を聞きました。
――毎年恒例なんですか?
大西:私は実家に帰ってきた6年ほど前からやっていますが、母は祖母から教えてもらったと聞いております。代々伝わってきたことだと思います。
――どんなお気持ちで撒いていますか?
大西:みなさん無事に、気を付けて帰ってねー!という気持ちです。最初はご先祖を追い出すようで気が引けましたが「ずっとこっちにいはっても困るやろ!」という母の一言で思い切り撒けるようになりました。
――撒いた後も臭うのでは…。
大西:そのあとに大量に水を流します。磯っぽい匂いはすぐ消えるので、さっとですが、掃除もします。
――京都では一般的な行事なのでしょうか?
大西:「昔はどこなとやってはったで」と、祖母や母言っていますが、我が家以外にやっている人を見たことがありません。追い出しあらめをされている方がおられたら、ぜひ私にもお声掛けください。
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SNSでは「京都市民だけど知らなかった」「これも京都のいけずスピリッツ?」「手厚くおもてなししたのに追い出すの面白すぎる」「ツンデレの極み」「行事を楽しむ女将さんが素敵」などの反響が寄せられました。京都のお盆の最終日といえば五山送り火が有名ですが、京都府民も知らない行事がまだまだあるのかもしれません。
大西理枝さんX
https://x.com/RieOhnishi
大西常商店 HP
https://www.ohnishitune.com/