京都には、直接的な表現を避けて遠回しな言い方をする文化があるとされています。
たとえば「おたくのお子さん元気がよろしいなぁ」と言われたとき、「子供を大人しくさせてくれ」と遠回しに注意されているかもしれません。
本当にそんな言い方をする人がいるの? と疑問を感じる方も多いでしょう。しかし、京都出身の人の意見を聞いてみると、「実際にあるのかも」「そんな考え方もあるのか」と思えてきます。
友人が喜んだ「消耗品の贈り物」
K子さん(東京都・30代・会社員)は、消耗品をまとめて買う派。電池、ラップ、トイレットペーパーなど…家にはストックがたくさんあります。
K子さんはある日、引っ越しを控えている親友と会う用事がありました。そのとき、日ごろお世話になっているからと、K子さんの家のストック品である「ゴミ袋」を友人におすそ分けしました。それに友人は大喜び! 引っ越し準備にゴミ袋なんていくらあってもいいですからね。二人は笑顔で解散しました。
その夜、夫からの物言いが
その日の夜、K子さんは夫に「家のストック品であるゴミ袋を、友だちに分けたら喜んでいた」という話をしました。
すると、夫は難しい顔をしてK子さんにこう告げます。
「なんやって?それは失礼や!」
K子さんは、思わぬ反応にビックリ! 何かのマナーに反してしまったのか?でも友達は喜んでたけどな…。戸惑いながらも、夫に「なぜそう思うのか」を聞いてみることにしました。
行動の裏に本音があると思われてしまう!?
夫の答えはK子さんの予想を超えたものでした。
「人にゴミ袋をあげるなんて、『アンタの家はゴミだらけやで~』と言うてるようなモンや!」
K子さんは、違う意味で驚愕してしまいました。「ゴミ袋は、引っ越しに必要だから分けてあげただけで、そんなことつゆほども思ってないよ!どうしてそんな考え方するの?」と反論。夫は「俺が京都出身だから、そういう思考になるのかな…」とこぼしました。
K子さんはそこで、ハッと思い出しました。そういえば、友達に『服の毛玉取り器』をプレゼントしようとしたときも、夫から「そりゃあかん、アンタの服毛玉だらけやで~って言ってるようなもんや!」と注意されたことがあったのです!自分にはそんなつもり、全くなかったのに…。
確かに京都は、本音を隠して遠回しに言う文化があるというけど、そこまで深読みしてしまうのでしょうか。
このマナーは京都限定?全国共通?それとも夫の考えすぎ?
K子さんは「私がマナーに反してしまったのか、夫の考えすぎなのか、よくわからない」と語っていました。そこで、京都出身の方から、ほかにも「日常で実際にあった遠回しな会話」をいくつか集めてみました。
▽40代 主婦
ママ友数人と遊びの計画を立てていました。京都出身ママが「考えときます」という返事だったので、私は「予定が未定だけど行きたいんだな」と思っちゃって。予定の数日前になって、具体的な時間の連絡をしたら、やっぱり来られないと…。行きたくないならちゃんと断ってくれー!って思いました。
▽30代 会社員
私の服や持ち物をなんでも「華やかやなぁ。センスええわぁ」と褒めてくれる、京都出身の義母がいます。嬉しく思っていたら、夫から「あれは、派手過ぎるって言ってるんや。今度からもっと無難な服装で行ったほうがええかもな…」と言われ。心底びっくりしました。しかし、それからもあえてそのままの服装で義母と会っています。
◇ ◇
体験談を読んでみると、確かにそういう解釈もできるのかも…?と思えてきますね。
◇ ◇
K子さんの夫が言うように、ゴミ袋のブレゼントは相手にとって失礼にとらえられることもあるでしょう。しかし「仲良しの友達」「引っ越し準備中」な背景を踏まえたら、悪意がないことは一目瞭然です。
K子さんは「夫には、もう誰に何をプレゼントしたとかを言わないようにしてます。またダメ出しされそうなんで…」と笑っていました。
◇ ◇
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