「たった今、アルバ保護しました。
自宅から5キロ以上離れた喜多町というところで情報が入り、直ぐ行ったところ見つけることが出来、風貌も変わり、体重が2.3キロまで減っていましたが、自宅に連れて帰ることができました。皆様本当に有難うございました。お世話になりました。」
行方不明になっていた飼い猫が自宅から5キロ以上離れた町で保護されたことを飼い主のNarumiさん(@na01217)がX(旧Twitter)で報告。投稿には「見つかって良かった!」「本当に無事で何よりです」「お帰り」などと、無事に見つかったことに感激のコメントがたくさん寄せられています。
行方不明の愛猫は13歳のシニア猫 SNSで情報発信・チラシを作成、夫婦で探す日々
行方不明になっていたのは、元保護猫のアルバくん(雄・去勢済み)。13歳のシニア猫さんです。Narumiさんによると、6月18日深夜1時頃、北海道釧路市内の自宅2階窓から脱走。網戸のマグネットが甘く、早朝5時に気付いた時は網戸が開いていたとのこと。すぐに名前を呼びながら近隣を捜索しても見つからなかったといいます。
「翌日の19日から市内唯一の猫探偵さんに依頼したんです。いろいろ教えていただき、まずは警察や保健所に連絡。さらにInstagramやfacebook、Xにアルバがいなくなったことを投稿、チラシも2000枚以上作ってポスティングも。このほか市内動物病院、近所のコンビニ、理美容室、銭湯などにチラシを置いてもらえるよう依頼、市内全域戸別情報誌にも掲載してもらいました。自宅には防犯カメラ設置、庭に餌を置いて監視用のトレイルカメラも付けて。また猫用ベランダとして設置してある外ケージのみ開けて、いつでもアルバが家の中に入れるよう導線も確保。とはいえ、庭にはキタキツネと近隣のボス猫しか現れず…当時、猫を見かけたという情報の連絡については10件ほどありましたが、いずれも別の猫さんでした」
あの手この手を尽くしながらNarumiさんは主に夜、Narumiさんの旦那さんが早朝夜明け前から、当てもなく近隣を捜索。Narumiさんは日によって捜索する時間帯を変え、夜8時に猫に会えなければ8時半、9時と最終的には深夜0時過ぎから捜索するも決まった野良猫2匹にしか会えず…日を追うごとに「もう見つからないかもしれない」と心が折れそうになったとか。旦那さんは7月半ばくらいから、捜索に行かなくなってしまったそうです。
2カ月後に目撃情報が! 送られてきた写真は「我が子かどうか首を傾げるほどよれよれの老猫」
しかし、アルバくんが行方不明になってから約2カ月経った8月16日。ポスティングをした地域の人から「友だちが郵便配達をしていて、喜多町で似ている猫を見かけた…と言っているのですが、遠いので違うかも知れない。違ったらごめんなさい」と連絡が入ったのです。
「ありがたくて、遠くても違っても構わないので、どこか詳しい場所と見つけた時間を教えてください、と答えたところ、『友だちが写メ撮ったので、送っても良いですか?』とメッセージで送ってくださいました。20代後半のお若いお嬢さまたちだったので、スマホも慣れていらして。猫の写真と一緒に、非常にわかり易く場所の航空写真を送ってくださいました。15日と16日の2日連続で、郵便配達をしている午前9時半頃に見かけた猫さんとのこと。写真を見ると、我が子かどうか首を傾げるほどよれよれの老猫の写真でした。でも2カ月も経ったら汚れて風貌も変わっていると思い、顔の毛の色の特徴が似ていたこともあり、一応現地に行くことにしたんです」
写真を送ってもらっものの、すぐに見つかるとは思っていなかったというNarumiさん。現地周辺でチラシを配ろうと思い、ケージと餌とチュールとチラシを持って連絡を受けてすぐに直行しました。旦那さんにも連絡したところ、「自分も行く」と現地で合流することに。Narumiさんが先に到着し、車を止める場所を探しながらよれよれの老猫が目撃された場所にたどり着くとそこには写真と同じ老猫がいたのです。
「あわてて車を止めて、『アルちゃん?』と声を掛けたらお返事はしたのですが、その声が以前とは全く違うガラガラ声だったので、最初は半信半疑でしたが…ちゅーるで誘って『アル、おいで』というとお返事しながら近寄ってきて、ちゅーるをかみちぎる勢いで食べ始めました。その時首輪を確認したところアルバだと確信。すぐ抱っこをして車中のケージに入れて保護。時間は連絡を受けて1時間後の午後2時頃でした。
当時ガタガタと震えました。信じられない…というか、とにかく必死でケージのファスナーを閉め、夫に連絡しようとしても手が震えて…とりあえず電話はつながり、夫に『アルちゃん保護した』といっても夫もすぐには状況を把握できないようで。それは、これまで何度も私が『見つかったから』『保護したから』『車に乗せたから』と繰り返しいっていたので、夫も半信半疑…でも今回は正真正銘のアルバ。夫は涙声で『分かった。すぐ家に帰る』といってくれました」
アルバくんは風貌も変わり、体重は2.3キロまで減っていたそうです。
◇ ◇
なぜ愛猫と再会できたのか? それは…
約2カ月ぶりに愛猫アルバくんと再会できたNarumiさん夫婦。保護してからのことを、Narumiさんに聞きました。
──保護した当日は。
「すぐ知り合いの獣医さんに連絡すると、『脱水症状がなく、物が食べられているなら、まずはお家で落ち着かせてから、明日でも病院に行きなさい』とおっしゃっていただき、当日は家で様子を見ることにしました。お風呂に入れたかったですが、体が骨と皮状態で体力もないと思い、体を拭くことだけにして。水分と柔らかいものを少しずつ与えようと思いましたが、とにかく食べ物を見るとなんでもかじり付いてしまうので、とどまらせるのが大変でした。椅子に登ることも難しい状態で、食べ終わると今までいたことのないようなユーティリティの隅っこにいましたが、今は無理せずいたいところにいてもらうようにしています」
──翌日病院に連れて行かれてから、現在のアルバくんの様子などをお聞かせください。
「保護した夜中から翌日病院に連れて行くまで嘔吐と下痢を数回繰り返し、もしかしたら、帰っては来たけれど、死んでしまうのでは…とも思いました。病院で点滴をしていただき、血液検査の結果もそう問題はなく、翌18日日曜も、点滴してあげるからと休日に診てくださり、栄養を摂るようアドバイスいただきました。そこで、13年間食べてきた私の作ったスープ(鶏ささみとレバーと野菜。またはブリのアラと野菜の水煮)をあげたところ、喜んで食べてくれて。
また寝る時は行方不明になる前は寝室で一緒に寝ていましたが、今は私が居間のソファで寝るようにしています。寝る時は声をかけますが来ず、しばらくすると身体に乗ってきたり、足下で寝たりします。とにかく、アルちゃんがいたいところにいれば良いと思って接しています。ただトイレの場所はわかっているようですが、少し認知症っぽい感じが見られて、寝て起きたタイミングで、時間を見て抱っこしてトイレに連れて行くとおしっこが出る…という感じです」
──昨今、SNSでは迷い犬や迷い猫ちゃんの投稿を目にします。そんな飼い主さんへのメッセージを。
「全国の迷子猫、ワンちゃんの飼い主さんには、日々どこをどう探してよいかも分からず、探しても見つからないと途方に暮れることと思います。かといって探しに行かず、家でテレビを観たりすると罪悪感を感じたりすることがあると思います。お仕事をなさっている時は少し忘れることもできる…というかやることがある方が私は楽でした。
連絡を待つしかない苦しい時間だと思いますが、見つかる時は、図られたような不思議な偶然がいくつも重なり奇跡が起きます。我が子と縁がつながっていたら、ちゃんと必ず再会できると信じてください…。1年以上見つからず、どこかで保護されてかわいがられていたとしても、必ず何かの折に再会できると私は信じたいです。そのためにもSNSの発信やチラシは重要だと思っています。とにかく、皆さんのご協力のおかけでアルバが見つかったことに深く感謝しております」