「婚約道中膝栗毛」のぼり掲げ、カップルが旧東海道を踏破 82日間…感動の旅路と応援に感謝

京都新聞社 京都新聞社

 東京都内のカップルが巨大地球儀を載せたリヤカーを引き、旧東海道を踏破した。結婚に向け絆を強めるとともに道行く人に笑顔を届けたいと、3月上旬に東京・日本橋を出発。「婚約道中膝栗毛」ののぼりを掲げ、道中で出会った人たちとの交流も力にしながら5月末、82日間かけ京都市中京区の三条大橋にたどり着いた。

 塾経営、島田淳之介さん(34)=東京都世田谷区=と家事代行業の藤田めぐみさん(36)=同北区。2人は職場で出会い2020年に交際をスタート、23年3月に婚約したが島田さんがうつ病を再発。これからの人生をどう生きるか、本当にやりたいことは何かを話し合う中「旅を通じ絆を強め、人々を笑顔にする明るいニュースを届けたい」と、挑戦を決断した。

 もともと島田さんは「地球を手でつないで囲み、ハッピーにしたい」と大きな目標を抱いていたことから、友人と制作していた直径1・3メートルの地球儀とともに婚約1周年の3月11日に出発した。

 「突き抜けたことをしているのを見ると、人は笑顔になる。少しでも笑ってもらい、その人の一日を彩ることができたら」と、すれ違う人には「良い一日を」などと声をかけ、野宿を中心に旧東海道を進んだ。

 箱根湯本(神奈川県)では東海道15回目の踏破を目指す男性に出会い、旧道の道順やリヤカーが通れる道幅かなどの情報を得る幸運に恵まれた。大津市では「頑張ってるんやな」と何も聞かずにご飯をごちそうしてくれる家族に出会い、京都市山科区に入ってからは挑戦に感動した男性が動画撮影班として一緒に歩いてくれた。

 きつかったのは江戸時代からの難所・小夜の中山峠(静岡県)。リヤカーを引いて降りるには危険なほどの急坂で、出会った人がロープで制御しながら一緒に降りてくれたという。2人は「応援してくれた人のおかげでここまで来られた」と振り返る。

 大事に引いてきた地球儀は北半球部分が開く仕組みで、中には、出会った人に「夢」を書いてもらった折り紙を折り鶴にして収納し、「その思いとともに歩んできた」という。到着までに約1500羽が集まり、今後は鶴文字アートにするという。

 5月30日、終点の三条大橋についてからも「婚約道中-」ののぼりを見た観光客から「頑張れ」などの声援が飛び、記念撮影を求める人も集まった。西詰の弥次喜多像前で旅を終えた2人は「お世話になった人たちに感謝の言葉を伝えると『恩返しより、恩送りをしてあげて』と言われた。この経験を次の世代の子どもたちに何かの形で送っていきたい」と誓っていた。道中の様子はユーチューブ「あいゆめチャンネル」で見ることができる。

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