乾燥剤などとして使われる「シリカゲル」を炎天下の車中に置くと…。衝撃の結果がSNS上で注目を集めている。乾燥時は青色で、湿気を吸い取るとピンク色になるシリカゲル。青色に戻すには、フライパンや電子レンジなどで加熱して湿気を飛ばす必要がある。「真夏の車中の恐ろしさ」を感じさせる結果とは―。
ピンク色がサファイアのように真っ青に…
投稿したのは、X名・ユースケ☆サンタモニカさん(@ysk1025)。製造業に従事する傍ら、自動車向けのアクセサリーの製造・販売も行う。日常的に3Dプリンターを使用し、シリカゲルは材料の湿度管理のために活用。「普段はシリカゲルを再生する際、140度のオーブンで20分ほど加熱するのですが、クーラーを付けながら室内でオーブンを使うのもバカらしいと思い、車内で試したんです」と経緯を説明する。
8月12日午前11時ごろ、車中のフロントガラス近くにピンク色のシリカゲルを設置。みるみる変色し、2時間半後の午後1時半にはサファイアのように真っ青になった。3Dプリンターで製作した樹脂製のキーホルダーも、熱で形が歪み、元に戻らなかったという。
驚いたのは、乾き具合だ。「多くの人が体感したことあると思いますが、車内はかなりの高温でカッとした暑さでしたが、湿度は全く感じずカラッとしていました。オーブンの中はこんな風なのかなと思いました」。真夏の車内は恐ろしい環境だと思った一方で、ものづくりという観点では、暑さに耐え得る自動車のすごさも感じたという。
シリカゲルの経過をXに投稿すると、利用経験のある人たちから反響が続々。「職場では110度の乾燥機に2時間くらいぶち込んでいた記憶があります。車の中で同じことができるとは…そりゃ、人死ぬよ」「仕事柄経験あるが、ガチ乾燥炉にかけた時の鮮やかな青なんよ」など驚きの声が並んだ。
◇
2022年9月に、送迎用のバスに置き去りにされた女児が重度の熱中症で死亡するなど、真夏の車中の危険については近年、ニュースで報じられている。JAFの調査によると、気温35度の8月の晴天の日に、正午~午後4時の4時間、車内温度を測定すると、エンジンを停止させたわずか30分後に45度を記録。その後も上昇し続け、午後3時ごろには55度超に。直射日光が当たるダッシュボードは、80度近くになったとしている。