2024年1月から新しいNISA制度が導入されおよそ半年が経ちましたが、利用者の実態はどのようになっているのでしょうか。家計診断・相談サービス『オカネコ』を運営する株式会社400F(東京都中央区)が実施した「オカネコ 新NISAの利用意向調査2024年7月」によると、新NISAの利用率は半数超であることが分かりました。また、“つみたて投資枠“での毎月の積立平均金額は「6万5411円」であることも分かったそうです。
調査は全国の同サービスユーザー男女919人を対象として、2024年7月にインターネットで実施されました。なお、回答者の年代は、20代以下(4.4%)、30代(17.3%)、40代(26.7%)、50代(30.6%)、60代以上(21.0%)となっています。
調査の結果、「新NISAの認知度」は全体の91.0%となり、1月に実施した調査の86.6%から4.4ポイントの増加となりました。
さらに、「新NISA制度が導入されたことを知っている」と回答した836人のうち、28.2%が「内容について把握していない」と答えており、1月調査の32.4%から4.2ポイント減少したものの、相変わらず約3人に1人は新NISA制度が導入されたことは知っていても内容までは把握出来ていないことが分かりました。
続けて、全回答者に「新NISAを利用していますか」と尋ねたところ、半数超が「利用している」(52.6%)と回答し、1月調査の37.8%から14.8ポイント増加、「利用を検討している」(6.2%)は1月調査の20.0%から13.8ポイントの減少となりました。一方、「利用していない」と答えた人は41.2%と、1月調査(42.2%)と大きな変化はありませんでした。
また、本調査から「投資枠」についても調査をした結果、「成長投資枠を利用している」人は77.4%、「つみたて投資枠を利用している」人は85.7%という結果になり、どちらも利用している人が多いことが見て取れました。
さらに、「新NISAを利用している」と答えた414人に「毎月の積立金額」を教えてもらったところ、「9万円以上~10万円未満」(50.2%)が圧倒的に多くなり、毎月の積立平均額は「6万5411円」となりました。
年代別に平均積立額を比較すると、20代以下は「5万4048円」、30代は「6万1495円」、40代は「6万6709円」、50代は「6万5614円」、60代以上は「7万2231円」と、年代が上がるほど積立額も高い傾向となりました。
また、「成長投資枠を利用している」と答えた374人の「2024年1月~6月の期間に実際に投資した金額」については、「220万円以上~240万円以下」(26.2%)が最多となった一方、「1万円以上20万円未満」(15.5%)が次点に挙がり、現時点での投資額の分布は、上限に対して控えめな額を選択する人と、上限枠に近い額を選択する人の二極化の傾向が見られました。なお、平均額は「116万1484円」でした。
これを年代別にみると、20代以下が「57万5625円」、30代は「104万3846円」、40代は「118万7149円」、50代は「118万4202円」、60代以上は「134万8819円」と、こちらも年代が上がるほど投資額も高い傾向となりました。
次に、新NISAを活用して投資している対象について、「地域別」「タイプ別」「投資信託ETF」のタイプ別で質問したところ、地域別1位は「アメリカ株」(62.7%)、タイプ別1位は「成長株」(55.0%)、投資信託ETFのタイプ1位は「インデックスファンド(投資信託)」(86.3%)という結果になりました。
最後に、「投資・資産運用をしていない」と答えた331人にその理由を複数回答で答えてもらったところ、「資産運用の知識がなくやり方がわからない」(42.0%)が最多となったほか、「興味はあるが資金がない」(38.1%)という意見も挙げられ、投資・資産運用について手続きや情報面でのサポート不足により行動に移すことができていない人が少なくないことが分かりました。
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【出典】
▽家計診断・相談サービス「オカネコ」調べ