カットモデルがお面かぶってる…だと?ある美容院の画期的すぎるコンセプトの狙いは

中将 タカノリ 中将 タカノリ

初めての美容院に足を運ぶ際、重宝するのがヘアカタログ。自分にはどんな髪型が似合うのか、お店の人がどんな技術を持っているのかなど参考にしたことがあるという方は多いと思う。

今、SNS上で大きな注目を集めているのは東京・中野の美容院comaのヘアカタログ。

こちらのお店がホームページやHot Pepper BEAUTYに掲載するヘアカタログのモデルは、なぜか皆、能面、般若、狐、鬼などのお面をつけているのだ。

いったいなぜ…comaオーナーの岩田秀宣さんに話を聞いた。

ーーお面を付ける理由は? 

岩田:簡単に言うと他店と差別化、和モダンのブランディング、髪のみを見られるカタログが欲しいと考えてのことです。

まず他店との差別化についてですが、現在、日本には信号機の数より多いと言われる美容院がひしめいています。関連業者も多く、当店がお面のヘアカタログを始めた当初でも、ヘアスタイル写真の販売サイト等が多数あり、今では生成AIも登場しています。自分たちでオリジナルで髪型を作ってもすぐに陳腐化してしまい、それだけでは他店との差別化ができないということです。

次に和モダンのブランディングですが、髪型で「和」と言うと和髪や和装のジャンルに行きがちです。古くは欧米、最近では韓国と、海外発信の髪型が流行りやすい日本市場で、「和モダン」をテーマに打ち出すには、いっそ和の色が強く出る和面を付ければイメージに近づきやすいと思いました。

最後に髪のみを見られるカタログというのは、お客様と打ち合わせていると、皆さんどうしても「写真の顔が可愛いから、かっこいいいからその髪型にしたい」となる事があります。ですが髪質には個人差がありますし、モデルと人種自体が違う事もしばしばなので、無理がある場合があります。

もちろんそれを説明し、できる事できない事の中から最高の提案をするのが我々の仕事ではありますが、モデルの顔があることで逆に適切なイメージの妨げになることがあると気付いたんです。そこで4~5年前に「あえて顔を隠してみたらどうだろう」と始めたのがこの取り組みです。

ーー反応はいかがでしたか?

岩田:最初は炎上するんじゃないかと思っていましたが、お客さまの反応は良く、多くの方に面白がってもらえました。おかげさまでアクセス数や新規予約数がそれまでの2倍以上になり、売り上げも増加しました。今ではうちの代名詞になっています。

「気持ち悪くて嫌」と言う方はご来店になりませんから、そちら側は聞いたことないですが、賛否両論あるかと思いますしそれで良いかと思います。

初めてご来店いただいたお客様には「スタッフの方がお面でカットするのかと思った」と言われることもありますが、残念ながらそれではまったく鏡が見えません。打ち出しは変わっていますが、中身はちゃんとした美容院を心がけて営業しておりますので安心してお越しいただきたいです。仕上がりやコンセプトを気に入っていただき「お面で写真撮って」とおっしゃっていただけるとうれしいですね。

◇ ◇

SNS上で「顔でいいなと思ってやってみたら残念な事になる事例を回避できる」「カットモデルが美男美女だと『こんな風にしてください』と言いにくい人もいると思うので、良いのではないでしょうか。」などとポジティブなコメントが集まるcoma。ご興味ある方はぜひ足を運んでいただきたい。

coma店舗情報
所在地:東京都中野区中野5-68-8ライオンズマンション中野第3、2F
公式ホームページ:https://hair-coma.com/
Hot Pepper BEAUTY掲載ページ:https://beauty.hotpepper.jp/slnH000371508/

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