エントリー断念せざるを得なくて今大泣きしている―。そんな文言とともに投稿された、企業のエントリーシート(ES)が、SNS上で議論を巻き起こしている。設問は、「大学入学以降、あなたが楽しんでいる際のお写真(お顔が認識できるもの)のアップロードをお願いいたします」。「陰キャは泣く」「人間の本質が出てしまう…」など、多様な意見が上がっている。
やばい…写真ないかも
投稿したのは、神奈川県在住の就活中の男性。エンタメ系会社のESの20問目で、冒頭の設問が出てきたという。設問には、こんな注釈もある。「※団体の集合写真等、お顔が判別できないものは対象外とします。※お二人以上で写っているお写真の場合、ご自身がどちらか分かるような工夫をお願いいたします。」
「焦りました。やばい…写真ないかもって。スマホの写真フォルダを確認して絶望しました」と男性。大学の授業の合間は図書館へ。授業内でグループワークがあれば人と話すが、一言も発さずに帰宅することもしばしば。「プログラミングのサークルに所属していますが、ほとんど活動していません。数少ない友人とすれ違えば、多少は話しますが…」
昔から大人数の集まりや人付き合いが好きではなかったといい、Xには、「夏に男女グループで海行ってイメージ通りの夏を味わいたいなと思っていたけど、楽しめるタイプじゃなかった」とも吐露。結局、志望度は高くなかったこともあり、エントリーは諦めた。
設問はある意味で合理的?
ESに対しては、さまざまな意見が寄せられた。男性はこれらを「陰キャへの同情」「設問を出した企業への不信感」「写真がないことに対して理解できない声」の3つに分類できると分析する。そして、同じ悩みを抱える人が想像以上に多いと痛感したという。
また、「プライベートを詮索するような選考方法、おかしいでしょ」と企業への不信感を抱く声がある一方で、男性自身は「あり」だと考えているという。
「エンタメ会社なので、外交的、いわゆる陽キャが求められているのは明らかです。日頃から友人と写真を撮る機会が多い人(友人が多く、外交的な割合が高い人)を採用するために設問を課すのは合理的です。内向的な人を弾くことでミスマッチを防ぎ、お互いのためであるとさえ考えています」