電車のロングシート。一番端に座っていると、仕切り越しに立つ乗客のバッグや髪の毛などが隙間から飛び出し、あたりそうになった経験はありませんか。「袖仕切り」と呼ばれる仕切りを巡っては、乗客から鉄道会社に苦情が入ることもあり、大型化が進んでいました。
乗客「端の席に座ると、あたる」
相模鉄道(本社、横浜市西区)は2018年2月、新型車両20000系に荷棚まで届く「強化ガラス製仕切り板」を採用しました。
採用理由は、ドア付近に立つ乗客の荷物などが着席している乗客へ干渉することを緩和するため。
同社担当者によると、従来のパイプ形状や低い仕切りに対し、乗客からは「座席の端の壁が低いとドアの横にもたれかかる人の荷物や髪があたる」「(混雑時に仕切りに体を押し付けられ)座られている方に横から体を押し付けるようになってしまう」などの意見があったといいます。
では導入後の反応は。
「『座っているとき、立っている人の荷物や髪の毛を気にする必要がなくなった』『不愉快に感じていたことが改善された』といった反応が寄せられました」(同社担当者)
また、東京都交通局では2005年以降に導入した新型車両で製作時から大型化を行っており、既存の車両についても順次改造しています。「平成26年度実施事例」には次のような報告があります。
「交通局では、『座席の一番端の席に座っているときに、他の乗客のカバンや髪の毛があたる』とのお客様の声を受け、車内座席の袖仕切りの大型化を進めています。既に運用している車両については改造が必要なため、試行として三田線6300形第36編成と大江戸線12-000形第25編成の2編成に取り付けました。今後も順次改造を行い、車内環境の充実に努めてまいります」(東京都交通局ホームページから)
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SNSには全国の鉄道利用者からさまざまな体験談が投稿されています。「座ってる私の顔の位置にバッグが。下手したら目に当たる」「仕切り越しにおじさんのお尻が迫ってくる」「女の人のロングヘアが私の顔の前に」「仕切りから髪の毛垂らすのやめて」「肘入れられた」「仕切りの隙間から鞄が入ってきて邪魔」「迷惑」「気持ち悪い」「うざいよね」「うしろにまで気を配ってほしい」「気を使えない人が増えた」「当たってますよと一声かけるようにしている」「仕切りが長いとうれしい」「注意したら逆ギレされことがある」など。