「また来てねブウブウ!」古民家カフェに子豚 お見送り中に記者に突進 その理由とは

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 浜田市の住宅街にテークアウト専門のカフェがオープンした。一番の売りは何と小さなブタ。看板ブタの「ぼぶ君」の接客がかわいいと人気だ。自由気ままに店内を歩き回って過ごし、客の帰り際には玄関に来て見送りする特技があるという。店を訪ねてみた。

 海沿いにある駐車場に車を止め、住宅地の細い路地を進んだ先に2023年11月にオープンした「COFFEE未完(コーヒーみかん)」がある。2階建ての古民家を改修した店舗兼住居で、玄関を入って正面にレジカウンターがあり、向かって右隣の約15畳の部屋を待合室として開放している。

 待合室の椅子に腰かけると、ぼぶ君が「ブヒブヒ」と元気な鳴き声を上げて奥の部屋から現れ、記者の足に鼻をこすりつけてあいさつしてくれた。

 ぼぶ君は体重35キロの2歳の雄で、人見知りしない性格。店主の村松敦子さんの希望で、生後半年の時に家族に迎え入れた。鼻で扉を開けて来客中も自由に歩き回る。何でもかじるため、床にかばんを置く人は注意が必要といい「静かだなと思っているとコードをかじるとか、何かいたずらをしています」と苦笑いする。

 夫の裕樹さんが市内のフットサルチームの監督に決まり、神奈川県でカフェを開いていた敦子さんとぼぶ君も一緒に浜田市に移住した。ぼぶ君が客を見送るようになったのは1歳をすぎたころ。「お客さんが帰った後にご褒美でおやつをあげていたんです。お見送りすると、おやつがもらえると学習したみたい」と振り返る。前の店では駐車場が近くにあったため、車のエンジン音を聞きつけて玄関で出迎えたり、引き戸を鼻で開けて客を先導したりするときもあったという。

 取材を終えて敦子さんとともに立ち上がると、気配を察知したぼぶ君が奥の部屋から再び現れて玄関まで誘導してくれた。記者が靴を履いている間中、敦子さんの横に並び、斜め下を見据えて動かない。しばらく写真や動画を撮っていると、なかなか帰らない記者にしびれを切らしたのか突撃してきた。「お見送り中はじっとしていておとなしいけど、早く帰らないとだんだんイライラしてくるようです」と困り顔で教えてくれた。よほど忙しくなければ誰にでも見送りをするという。

 米国の小物が好きな敦子さんが店内の改修を手がけており、海外雑貨や手作りの家具を見るだけでも楽しい。待合室では、ぼぶ君の好物や好きなことをまとめた自己紹介カードも見られる。メニューはてりやきバーガー(1200円)、チーズバーガー(1300円)などのバーガーを中心に、彩りソーダ(600円)といったドリンクなど欧米風の料理をテイクアウトで販売する。県内では珍しいブタのいるカフェ。やんちゃなぼぶ君に会いに行ってはいかがだろうか。

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COFFEE未完
浜田市日脚町886
月曜日定休(月曜日が祝日の場合は翌日休み)。午前11時半~午後4時半(ラストオーダー午後4時)

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