みずほフィナンシャルグループなどが全国の新小学1年生に無料で配布している交通安全のワッペンが、フリーマーケットサイトなどで転売されている。今年は人気キャラクター「ピカチュウ」をあしらった特別デザインということもあってか、高値で取引される事例も。同社は「毎日安全に通学してほしいとの願いを込めて贈呈しているものであり誠に遺憾」としている。
1965年、富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)が新1年生に黄色い腕章を配ったことに端を発し、長年続いている「黄色いワッペン贈呈事業」。これまでに贈ったワッペンの累計枚数は約7186万枚にも上るという。今春も全国の新1年生に計約104万枚を贈呈した。事業60年目を記念し、株式会社ポケモンの協力のもとワッペンにピカチュウをあしらった。
しかし、フリマサイトで転売が横行。高いものでは5000円程度でも取引されている状況だ。「なかなか手に入らないので購入をおすすめします」「今年度新1年生限定配布」「新品未使用です」といったコメントをつけている出品者もいた。
みずほフィナンシャルグループによると、通常デザインだった昨年から転売があり、今年から無断販売や転売を禁じる文言をワッペン本体や外袋などに追加するといった対策を講じていたという。
「子どもたちが交通事故に遭わずに毎日安全に通学してほしいとの願いを込めて贈呈しているものであり、転売は禁止としていることから誠に遺憾です」と同社担当者。重ねて「取組の主旨をご理解いただき、これらの転売品を購入もお控えいただきたい」と呼びかける。
同社はすでにフリマサイトへの違反品申請を行うなど対応をしており、今後についても「状況を注視したうえで、サイト運営事業者への申し入れや別途協議なども含めて対応してまいります」としている。
SNSではこの事態に「たった数千円のために子どもの安全を売るなんて」「売る方も買う方も信じられない」といった声が上がっている。