【ゴールデンウィーク山の天気】序盤と終盤に登山日和 中盤は気象遭難のリスクあり

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ゴールデンウィーク中の山の天気で最も重要なポイントは、来週中ごろに予想されている上空の寒気の影響です。5月1日から2日は中部山岳の標高3000mで氷点下になる強さの寒気が入って気象遭難のリスクが急速に高まる可能性があります。立山で雪を予想しています。一方、連休序盤と終盤には安定して晴れる日が多く、初夏の登山が楽しめる見込みです。

あすからの3連休 局地的な雨に注意

27日(土)は本州の南に前線が停滞します。前線に近い九州や四国では雨が降り、開聞岳では雨のち曇りの予想です。中国地方から東北南部にかけてはおおむね曇りですが、気温が上がる午後は大気の状態が不安定になるため山沿いでは積雲が発生します。山は変わりやすい天気になるでしょう。上高地や立山は一時雨を予想しています。

28日(日)は本州付近が高気圧に覆われて、九州から東北にかけて非常に広い範囲で晴れる見込みです。午前中は海沿いの地域を中心に低い雲が出やすいですが、朝から高い山に登ってしまえばかえって雲海を望むチャンスになるのかもしれません。北海道では気圧の谷が通過して曇りや雨となるところがあります。

29日(月)は前線上に低気圧が発生して九州に近づく予想です。西から天気は下り坂で、開聞岳は雨時々曇り、六甲山から上高地では次第に雨が降る傾向の予想をしています。低気圧の東進が比較的ゆっくりなので、近畿から関東甲信では雨が降りだすのは午後からになる可能性が高いですが、湿った空気の流れ込みは強く、降りだすと雨脚がすぐに強くなるでしょう。

連休中盤は寒気の動向に注意

30日(火)は本州に前線がかかり、引き続き広い範囲で雨が降るでしょう。南風が吹き付ける太平洋側の山では雷雨になって雨脚が強まる可能性があります。今後の予報に注意してください。

このあたりから予報が定まりきっておらず、予報がずれたりブレ幅が大きくなったりすることが考えられますが、共通しているのが上空に強い寒気が流れ込む可能性があることです。上の予想天気図を見ると1日(水)、2日(木)は移動性高気圧に覆われて晴れそうにも見えます。前線と同時に上空の寒気が早めに通過する様子を表しています。ただし、寒気が前線からやや遅れて2日ごろに通過する可能性があり、その場合は1日から2日にかけて悪天が続くでしょう。中部山岳の標高が高い稜線では雪が積もって冬山に戻るおそれがあります。過去のゴールデンウィークではこのような上空の寒気によって気象遭難が発生しているため、直前まで気象情報を収集しリスクの判断をしてください。また寒気が流れ込む時間帯によっては、高山ではなくても雷雨となる場合があります。

4日(土)と5日(日)は高気圧に覆われておおむね晴れ、6日(月)は九州に低気圧が近づいて西から天気が崩れていく予想です。

ゴールデンウィークは気象遭難が多い点に留意

ゴールデンウィークは寒さが緩んで天候が安定するように感じるかもしれませんが、実際には4月から5月は南北の寒気と暖気の差が大変大きく、天気が荒れやすい時期であることに注意してください。過去の大型連休中には低体温症や落雷による死亡事故が発生しています。低体温症は体温が下がってしまうことで現れる様々な症状です。必ずしも気温が低い状況で起きるとは限らず、風が強かったり衣服が濡れていたりすると危険性が高まります。着替えや風雨がしのげるアウターシェルを持つようにしてください。GPSが普及している中、意外な落とし穴になりうるのが濃霧による道迷いです。GPSで現在地のみ確認することに慣れていると、ちょっとした地形の変化に気がつかない場合があります。GPSを持っているのなら、進行方向があっているのか、現在地の地形は整合しているのかを見るようにしてください。落雷は木の少ない稜線だけではなく、樹林帯でも起こっています。積乱雲が近づいている状況では屋外で完全に安全だといえる場所はありません。なるべく近くの山小屋や避難小屋に逃げるなどの対策をとってください。

気象遭難は事前の情報収集によって比較的リスクを低減しやすい遭難です。安全に楽しめる日を選んで大型連休中の山を楽しんでください。

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