瀕死で倒れ、小学生に囲まれていた子猫 保護後、現れたてんかん発作「精いっぱい生きる命に寄り添う」

渡辺 陽 渡辺 陽

花ちゃん(生後6ヶ月・メス)は、瀕死の状態で、ぐったりして道端に倒れていた。小学生が心配そうに取り囲んでいたので、通りかかった人が放っておけずに保護したという。2023年12月のことだった。

保護主は花ちゃんを病院に連れて行ったが、仕事をしているので、具合の悪い子猫を預かることはできなかった。自身も保護猫2匹を飼っていて、更に人馴れ訓練中の親子の保護猫も抱えているような状態だったので、保護活動をしているYさんに相談したという。

Yさんは、ひとまずいつもお世話になっている預かりボランティアに花ちゃんを預かってもらうことにした。花ちゃんはガリガリに痩せていたが、ボランティアのところに連れて行ったら、食べる食べる!底なしの食欲だった。花ちゃんはそのまま食べ続け、550グラムだった体重は、わずか10日間で倍になった。

「でも、どこか落ち着きがなく、食べながらふらふら歩き回るのが気になるなと思っていました。後日かかりつけに診ていただいたところ、頭を打っている可能性があり、その場合、後からてんかんの症状が出ることがあると言われました。」

恐れていたてんかん発作

その後、Yさんが恐れいていたてんかんの症状が出た。
「通院して投薬していましたが、新年から5回も発作が起こってしまい、お薬を強くすることになりました。血液検査も追加で行いました。薬が強いということは、長く投薬すれば肝臓にダメージが起きます。この先短命になるのか、落ち着いて薬を減らしていけるのか…。楽観視できる要素は一切なく、お世話して頂いている預かりさんにお任せするしかありませんでした。」

Yさんが預かりボランティアに、「厄介をかけて申し訳ない」と伝えたら、「保護してもらったから今日があるのよ。良かったね、ラッキーやね花ちゃん」と言ってくれた。

「力強く優しい言葉だと思いました。毎日、いつまで生きられるのかと案じるのではなく、ただただ今日を精一杯生きている花ちゃんに寄り添うべき、できることをやるべきではないかと気持ちを切り替えました。」

預かりボランティアは、花ちゃんの発作が起きるたびに、暴れてぶつからないように抑えたり頓服を飲ませたり、献身的にお世話してくれている。
「このような子を保護したら、私に何ができるのか、どうすれば花ちゃんが猫生を全うできるのか…、何が正解でベストな選択なのか、正しい答えを導き出すのは難しい。いつも迷いながら、考えながら過ごす日々です。」

やっとてんかんの発作をコントロールできてきた花ちゃん。まだ1ヶ月に1回は発作が起こるが、やっと不妊手術ができたという。

「花ちゃんと獣医さんを信じるしかなく、みんなで一日心配していましたが無事に終わりました。このまま落ち着くようでしたら、里親さんを探したいと思います」

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