いなば食品入社辞退者「ホコリやカビ汚れが…」ボロ家の実態明かす 門出の春に無職「悔しい」

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缶詰製造大手の「いなば食品」の入社辞退者が、老朽化した社宅の実態を証言した。

4月11日発売「週刊文春」(文藝春秋)が、『「いなば食品」新入社員9割が辞退 女帝の“ボロ家ハラスメント”』と報じた内容を大筋で認め、「ホコリやカビ、劣化による汚れが不潔だった」と語った。

「昨日文春が出た直後、焦って綺麗な社宅をホームページに載せていましたが、実際はこれです」。辞退者が示した写真には、年季の入った洗濯機置き場や、雨漏りする天井、旧式の洗面所、木製の便所扉など、老朽化が進んだ社宅の様子が写されていた。

いなば食品は4月12日、この寮の状態について「弊社はこの物件を含め、全てのシェアハウスに関して3月20日~26日にかけ、全家屋の点検・クリーニングを実施、完了しておりました」と報告したが、辞退者は「(建物内を)撮影したのは引越しのあった3月28日から29日の間です。由比にある社宅です」と証言する。

「私が入った時は冷蔵庫、洗濯機はありませんでした。また、エアコンがない部屋には扇風機を支給するとの話でした」と生活に必要な家電も備わっておらず、「ご飯を買いに行っても温められなかった」「冷蔵庫がなかったので、土の中に米を埋めて保管しようかと思ってました」と新生活が始まって早々、不便を強いられた。「また、不潔だと思ったのはホコリやカビ、劣化による汚れです」といなば食品が実施したというクリーニング後も汚れに悩まされたと語る。

また、募集要項に記載の給料より約3万円減らされるという週刊文春の報道については、「出勤日の前日にあらためて給料について聞きましたが、『わからない、決まっていない』の一点張りでした」と不誠実な対応だったという。入社同期のメンバーたちは「会社からの連絡が少なく、主に不安や疑問点を共有していました」と振り返る。入社後の明るい展望も描けず、辞退を余儀なくされた。

猫用おやつ「CIAOちゅ~る」で知られるいなば食品に憧れて入社試験を突破したにもかかわらず、次々と期待を裏切られた辞退者たち。「今頃同い年の子の様に新人研修を受けていたんだろうなと考えると悔しく、情けなくなります。2025卒の子がこの様な思いをしないように」と実態を明かした。

無職となり、「今は新しく仕事を探しています。いなば食品に対しては、このようなことがあり、社会を信じれなくなったので悔しい思いが強いです。世間に対しての謝罪ではなく、辞退者や内定を喜んでくれた家族にまず謝るべきだと思います」と謝罪を求めた。

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