フロントガラスなどに走行速度やナビ情報を映してくれるヘッドアップディスプレイ(HUD)。「いらない」という人もいますが、運転の安全性を高める上ではおすすめの装備です。ヘッドアップディスプレイ搭載のメリット・デメリットのほか、特に搭載をお勧めするケースなどをご紹介します。
ヘッドアップディスプレイとは
車のヘッドアップディスプレイ(HUD)とは、フロントガラスや専用の投影板に情報を映し出すシステムです。もとは軍用機などに使われていた技術で、前方を注視したまま、車速やナビのルート案内などを確認できます。
高級車では標準装備の場合が多く、ミニバンやSUVでも上位グレードで標準装備だったり、オプションで搭載できたりします。
搭載のメリット3つ
ヘッドアップディスプレイは安全面でのメリットが非常に大きいです。また使用に慣れれば、ドライバーの疲労軽減にもつながります。
▽メリット① 前方不注意を防げる
ヘッドアップディスプレイでは、運転席の前方に情報が表示されます。そのため視線移動が最低限で済み、前方を注視しながらの情報確認が可能です。
運転初心者でナビ画面などに視線を移す余裕がない場合や、「渋滞で集中力が途切れがち」「高速道路の分岐でルート判断に迷う」といった場面では特に便利でしょう。
▽メリット② 素早く情報を把握できる
最近のヘッドアップディスプレイは、死角の警告など安全に関わる情報を提示してくれることが多いです。そのため危険の素早い認知と判断、対応に繋がります。スピード超過などに気づきやすい点も便利です。
▽メリット③ 眼精疲労を軽減できる
運転中、私たちは数m~数十m先にピントを合わせています。この状態からナビ画面などを見ようとすると、一気に数十cm先へと焦点を合わせ直さなければいけません。こうした行為は目に負担がかかります。
一方、ヘッドアップディスプレイではドライバーから数m先に情報が映っているような状態となります。そのため焦点を合わせるのが楽で、目の負担も少ないです。
搭載のデメリット2つ
安全面でのメリットが大きい一方、ヘッドアップディスプレイはコスト面などのデメリットがあります。
▽デメリット① 車両価格が上がる
ヘッドアップディスプレイを搭載した車両は、当然ながら車両価格が高くなります。
全車標準装備であれば価格は気になりにくいですが、現時点では上位グレードやオプションでの搭載も多く、他の装備とセットオプションの場合もあります。例えばトヨタ「ノア」の場合は、デジタルインナーミラーとセットで9万9,000円です。
▽デメリット② 使い慣れない場合もある
これまでナビ画面やメーターを見て運転してきた人にとって、ヘッドアップディスプレイは「無くても困らないもの」です。そのため「使ってみて便利」と感じる人が多い一方で、「視線の端に投影情報がちらついて気になる」という人もいます。