住みやすい街として知られる千葉・松戸市に心温まる取り組みを続けている焼肉店がある。国産黒毛和牛を提供する「焼肉あがり」は「食べログ焼肉EAST百名店」に2年連続で選出されているほどの人気店。しかし、それ以上に注目されているのが「子ども食堂」をはじめとする社会貢献活動だ。店長の市原雪代さんに聞いてみた。
東京駅から25分の好立地
千葉県松戸市は「住みやすい街」「子育てしやすい街」として年々、その存在感を高めている。自然が多く残っている一方で東京駅から東京上野ラインに乗ると松戸駅までわずか25分と思った以上に便利な点も、その理由のようだ。
今回、取り上げる焼肉店「あがり」は、その松戸駅西口改札を出てすぐのところにある建物の7階。ほとんど雨にぬれることもない。
2年連続で「百名店」に
オープンしたのは2018年4月。豊富な仕入れルートから厳選したA4/A5ランクの国産黒毛和牛をリーズナブルな価格で提供することで、たちまち人気店へ。コロナ禍も何とか乗り切り、群雄割拠の焼肉業界で22年、23年と2年連続で「食べログ焼肉EAST百名店」に選出されている。
「5年目で選ばれ、凄くうれしかった。誇りに感じましたし、スタッフの士気も上がりました」
そもそも食べログ百名店は17年からスタートし、各ジャンルで高い評価を集めた店を毎年発表しており、焼肉部門は今年で6回目。「TOKYO」「EAST」「WEST」の3つに分かれており、店のクオリティを示す指標のひとつとなっている。ちなみに「EAST」選出店を地域別にみると愛知県が25店、千葉県11店、北海道10店となっている。
心温まる数々の取り組みで地域貢献
実際、焼肉「あがり」の評判は良く、市原さんによるとスポーツ選手や有名人も多数来店。大相撲の翔猿や元プロレスラーの神取忍さんらも訪れているという。しかし、この店のいいところは味もさることながら「世の中を良くしたい」という心温まる取り組みだ。コロナ禍の20年5月にはコロナウィルス指定病院である松戸市立病院の医療従事者へ計1300個もの「黒毛和牛弁当」を無料で提供した。弁当は6月末までに1日50個ずつ週4日届けたそうで、各メディアにも取り上げられた。
実はコロナ前は店名の「あがり」に込めた願い通りに業績は右肩上がり。一気に都内進出も考えていたそうだが、このことがあってから地域とのつながりの大切さを実感。21年11月にはキッズルームを完備したファミリー向けの2号店「YAKINIKU DINING あがり」を松戸市郊外にオープンしている。
キッズルームには保育士が常駐
この2号店では松戸市でママたちを応援するNPO法人MamaCanからのアドバイスもあり、何と保育士が常駐。市原さんは「価格も店構えもファミリー向けに設定しています。家族でご来店して、お子さまを預けていただいて、ゆっくり食事をすることもできます」と話す。
さらに、感心させられたのが第3水曜日に「子ども食堂」をオープンし25食を無料で届けていることだ。対象者は中学生以下で毎月1日に予約受け付けをしているが、毎回申し込みが殺到しているという。
メニューも豊富
もちろん、焼肉は本格派。カルビ、ロースといった定番からミスジ、トモサンカクなどなど。なかでも店自慢のシャトーブリアン、厚切りタンはオススメだ。「部位に合わせたカットをしていますし、肉は手切りなのでうまみが残る」と料理長の佐藤仁さん。他にもアボガドチャンジャ、あぶりユッケなどサイドメニューも充実している。
さらにうれしいのがパンランキングで全国6位になったこともある松戸市内の超人気ベーカリー「Zopf ツオップ」とコラボした「黒毛和牛ヒレカツサンド」や口溶けが独特のかき氷「粉雪」などの新商品をラインナップに加えれているところ。市原さんは「今後も地域に貢献し、地域に愛される店を目指し、上りつめて行きたい」と意気込んでいる。
▽「焼肉あがり」
千葉県松戸市本町20-1 新角ビル7F
電話 047(712)2992
https://tabelog.com/chiba/A1203/A120302/12043932/
インスタグラム:https://www.instagram.com/agari4729/