「目撃された方からの相談案件で、
車の中にたくさんの猫ちゃんが同乗しており、尚且つ飼い主のご夫妻が車中泊をされている」
たくさんの猫と一緒に車中泊をしていた飼い主夫婦をサポートしたNPO法人のエピソードが、Instagramで話題になりました。
投稿したのは、山梨県内で猫の保護活動に取り組むNPO法人「ねこともやまなし」(代表・益田陽子)さん。「ねこともやまなし」さんによると、コンビニエンスストアに立ち寄った際に隣に駐車していた車内にたくさんの猫を目撃した人から「猫と車中泊をしている飼い主夫婦がいる」との相談が入ったとのこと。数日後に飼い主夫婦と連絡が取れ、猫とともに住む場所が見つかったといいます。そんな投稿に「猫ちゃんも 飼い主さんも良かった」「家族を大切にする想いが繋がりましたね」などと安堵する人たちからコメントが寄せられています。
注目を集めた車中泊の飼い主夫婦のエピソード。どうして猫と一緒に車の中にいたのでしょう? 住む場所の支援をした「ねこともやまなし」さんに聞きました。
ペット可のアパートに住んでいたが、突然オーナーが代わり退去へ
──今回猫ちゃんたちとともに車中泊をしていた飼い主夫婦を目撃された方から相談があったとか。
「はい。私どもに相談してくださった方が、たまたまコンビニに立ち寄ったら隣に駐車していて、あわてて連絡がきました」
──なぜ、車中泊を?
「ペット飼育可能なアパートにお住まいでしたが、突然オーナーさんが代わりペット不可と言われ途方に暮れていたそうです。その後は道の駅などで車中泊をされていたそうです」
──猫ちゃんたちは何匹いたのでしょうか。
「全員で10匹でした。誰も命を落とすこともなく、逃げ出すこともなかったそうです。車中泊の中、全ての猫ちゃんたちが避妊去勢手術をしていなかったため、2匹出産してしまいましたが、飼い主さんご自身がお産に立ち会いへその緒を切ってあげたりと補助をしていたと聞きました。また車に猫トイレは設置してあり、排せつは問題なくできたそうです。動物病院に連れて行ったところ、全員健康に問題はありませんでした」
──ねこともやまなしさんの知人の方が賃貸アパートのオーナーさんで、すぐに住まいが見つかったとか。
「そうです。オーナーさんに事情を話しましたら今日から使ってくださいということでお言葉に甘えさせていただきました。とにかく何も持たずの状況なので、寝具類は私どもから差し入れし、家電と座布団はオーナーさんが提供してくださいました」
──突然、オーナーさんが代わり、追い出されてしまったのは大変でした。
「飼い主さん夫婦は、商業施設で棄てられた猫を拾いペット可能な賃貸アパートでともに暮らしていたところ、突然オーナーさんが変わりペット不可に…あちこちペット可能な賃貸アパートを探したけれど、多頭飼育可能なアパートはどこにもなく、1年以上猫ちゃんたちとともに車中泊をされていたそうで、どんなに苦しくても、猫ちゃんたちは家族だから絶対に離れ離れで暮らすことは全く考えずに、やむを得ず車中泊に。猫たちの食事はしっかり摂らせてあげていたようです」
──今回のような多頭飼いで車中泊というのは珍しいケースかと思われますが。
「今回のケースは初めてです。おそらくこのようにオーナーさんから多頭飼いのクレームが入れば、たいていの方はペットを見捨てる方が非常に多いと思います。世の中がペット可能という物件は多くなりましたが、多頭は難しいのが現状です。このような事態に陥ってしまった場合でも救済処置を考えるべきと思いました」