子猫を引き取ったら…夫が意外にも溺愛!夫婦と猫で仲良く暮らす「うちの子になってくれてありがとう」

渡辺 陽 渡辺 陽

ハチワレの野良猫が特養で出産、1匹だけ残った子猫

きなこさん(2歳半・メス)は、滋賀県にある特別養護老人ホームの敷地内で、野良猫が産んだ子猫だった。2021年7月下旬に産まれ、子猫は全部で4匹いたそうだ。

 

事務所から職員に「誰か引き取る人はいないか」という話があったという。Kさんは、夫や離れて暮らす子どもたちに相談し、1匹なら引き取れると伝えた。しかし、4匹のうち1匹しか里親希望者がいなかったので、施設は保護に二の足を踏んだ。

事務所が役所にどうしたらいいのか問い合わせると、「餌を与えなければ、そのうちいなくなる」と言われたそうだ。

「入所者に怪我をさせないことが最優先だったので、どうすることもできず見守っていたそうです。そうこうしているうちに子猫は1匹だけになり、3匹はいなくなりました。母猫は、子猫に餌を運んだり、尻尾で遊んであげたりしていたのですが、ある日、姿を見せなくなりました」

8月10日、翌日から雨予報が出ていた。Kさんは、施設長や課長から「もし保護できたら引き取ってもらえるか?」と言われ、「引き取ります」と即答。Kさんは「子猫が一匹では生きていけない」と思った。 

忙しい仕事の合間を縫って、施設の職員が捕獲に協力してくれた。子猫はU字溝に逃げ込んだが、片側から棒でつつき、出てきた子猫を100均で買った網で捕まえたという。30分ほどかけ、無事保護できた。

子猫だが精一杯「シャー!」

こうしてKさん夫妻ときなこさんの暮らしが始まった。

 

Kさんは、近所の方に動物病院を教えてもらい、緊急で診てもらうことに。初めての動物病院なので、夏休みで帰省していた次男も病院についてきてくれた。

「診察中はとてもおとなしく、虫かごにちょこんと入っていました。動物病院で少し離乳食を食べましたが、家では餌を食べませんでした」「母猫から『人間は怖いもの』と、ちゃんと教えてもらっていたのでしょう。数回、私達を見てシャーと怒ったりもしました。夜に帰ってきた主人が手から餌を与えると少し食べてくれて、ほっとしました」

 

きなこさんは、シャーと怒ることはあっても一切鳴くことはせず、段ボールの隅っこで小さくなっていた。

「朝、私たち家族が起きると、段ボールの中からきなこがいなくなっていました。まさか大きな段ボールから出られるとは思わず、階段だって登れないだろうと思っていました。家じゅう探したら、2階の長男の部屋の隅っこに隠れていました。初めての場所がよほど怖かったのだと思います」

翌日もきなこさんは、段ボールから出てきてしまった。テレビの後ろから何時間も出てこず、しばらくそこが定位置になったという。

Kさんの夫は「ペットと人間は別」と言っていたので、Kさんは、「人間にはあまりつけない名前にしよう」と思った。漠然と「食べ物の名前かな?」と考え、短毛の猫なので和食のイメージに。きなこ、あんこ、おもち、あずき、だんごなどの候補の中から「きなこさん」にしたそうだ。

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