極度の人間不信のチワワと経験豊かな預かりボランティア 長期戦の先に幸せな第2章が待っていた 「あなたの運命だったんだね」

松田 義人 松田 義人

2023年7月、茨城県の動物愛護センターにメスのチワワが収容されました。くりくりとした目が印象的で、後につけられた名前は「柚子」。埼玉県・茨城県を拠点とする犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)に引き出されることになりました。

保護からしばらくの間、リアンと提携する預かりボランティアさんの家で過ごすことになった柚子。この家にいる先住犬とも溶け込めず、端っこで固まり、ときには囲いのある小さなペットハウスの中に引きこもってしまうという極度の人間不信でした。別の預かりボランティアさんの家へ移動することになりましたが、新しい家でもほとんど同じで劇的な変化はなく、なかなか心を開いてくれませんでした。

怯えた表情で預かりボラさんを見つめていた

柚子は過去に経験したトラウマからなのか、「人間不信」が強いようでした。そっとなでることは許してくれるものの、長くなでられることを極度に怖がり「この後、私に何かするんじゃ」とおびえた表情になります。

預かりボランティアさんは時間をかけ少しずつ馴れていくことを目指し、「私たちはあなたに悪いことをする人間じゃない」と理解してもらうことを最優先にしました。

預かりボラさん外出時は、のびのびくつろいでいる様子

しかし、柚子の態度は変わりません。預かりボランティアさんが本業のために外出の準備をする際とエサの時間は少し表情が和らぎますが、預かりボランティアさんと目が合うと、小さなペットハウスの中に入ってしまいます。預かりボランティアさんに「早く出ていってくれ」と言わんばかりです。

預かりボランティアさんが外出中は、ペットハウスから出てきて、他のワンコと一緒にのびのびとくつろぐ様子がカメラに写っていました。普段はいないはずの場所に柚子の抜け毛が落ちていることもありました。

幸せな第二の犬生へと繋いであげるには、「人馴れ」は必要不可欠です。ここまで頑なに人間を怖がるワンコはそうおらず、預かりボランティアさんは長期戦を覚悟しました。

褒めすぎると、また真顔になり引きこもり状態に

そんな柚子に小さな変化が現れました。もともと食べることが大好きな柚子でしたが、その時間になると、それとなくケージの入り口をウロウロ。ついには柚子が、預かりボランティアさんの帰宅時に尻尾を振って玄関まで出てきてくれるようになったのです。さらには二本足で立つ状態で出迎えてくれることもあり、預かりボランティアさんは小躍りしたくなるほどに喜びました。

「柚子ちゃんうれしい! でもどうしちゃったの?」と声をかけると、急に表情がまた曇り、ケージの中に戻っていくこともありましたが、これだけ成長してくれただけでも立派なことです。預かりボランティアさんは、過剰にならない程度に柚子をほめてあげました。

トライアル先の先住犬が優しく迎えてくれた

心を開くまで時間がかかった柚子でしたが、「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れ、トライアルとして預けることにしました。トライアル中も、預かりボランティアさんは柚子のことが心配でしたが、この家にいる先住犬が優しく柚子を迎え入れてくれたこともあり、すぐに家庭に馴染んだと聞きホッとしました。

預かりボランティアさんは「私も向き合ってきたつもりだけれど、それはその先にあるこの優しい家庭に迎え入れられる運命だったんだ」と感じました。果たして、柚子はこの家に正式に譲渡されることになりました。

柚子はこの家で「ビビ」という新しい名前をもらい、第二の犬生へのリスタートを切りました。かなり大変だった柚子の人間不信ですが、幸せの一歩を踏み出してくれたことを大いに喜ぶ預かりボランティアさんでした。

犬保護団体restartdog LIEN
https://restartdoglien.jimdofree.com
リアン・インスタグラム
https://www.instagram.com/restartdoglien/

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