「1回の生理で1人が使用するナプキンの量です!」驚く人も共感する人も 個人差ある…メーカーに取材「ぜひ防災対策を」

太田 真弓 太田 真弓

ナプキンを換える推奨頻度は?生理用品大手メーカーに聞いてみた

生理に関する基本的な情報や生理用品の使い方について、生理用品のメーカーであるユニ・チャーム株式会社(東京都港区)ESG本部広報室の藤巻尚子さんにお話を伺いました。

生理は個人差大、なぜ交換しないといけないの?

ユニ・チャーム公式サイトのコンテンツ「ソフィ 生理のケア&アドバイス」によると、正常とされる生理の日数は3~7日程度、1回の経血量は20~140mlと言われていますが、それ以上多い方もいます。経血量には大きな個人差があり、その時のホルモンの状態によっても大きく異なるそうです。

一般的に2~3日目の経血量が多く、それから徐々に減っていきますがこれも個人差があること。ナプキンが1時間ももたないほどの経血が出るなど、日常生活に支障がある場合は婦人科への相談をおすすめしています。

――成人女性1回の生理でどのくらいの生理用品の消費の想定を?

個人差があることなので具体的に個数などで計れていないのですが、2~3時間に1回は交換することを推奨しています。

ナプキンには厚さや長さ、ショーツ型、羽つき、羽なしなど形状も様々なものがあり、タンポンや月経カップなどの生理用品もありますので、自分の肌や生活スタイルにあったものを清潔に使って生理期間を過ごしていただきたいと考えています。

――適切に交換することが大切なのですね。

ナプキンは、基本的に経血を吸収し肌がべたつかないように開発しています。それでも長時間使用すると雑菌が繁殖する恐れもあり、臭いがきつくなったり、痒みがでてきたりといった症状が想定されます。雑菌が繁殖するとそれが病気の元にもなりかねないため、できるだけ清潔な状態を保つことが重要です。

タンポンは、正しい使用方法を守らなければ「トキシックショック症候群(TSS)」という症状が起きる可能性が高まります。黄色ブドウ球菌の中でも毒素を産生するものが原因で起こる急性疾患で、初期症状として突然の高熱を伴う発疹や倦怠感、嘔吐、下痢、充血などがあります。

こちらは、タンポンを使用する際に手を清潔にしていないことや長時間の使用、取り忘れなどから発症するといわれています。TSSと思われる症状を発症した場合は、重篤な症状を引き起こす可能性もありますのですぐに婦人科など専門の病院へご相談ください。

生理用品を備蓄したら…どれぐらいで見直しを?

――この度の地震後、御社も一般社団法人 日本衛生材料工業連合会を通じて緊急支援物資を供出されておられました。

被災地ではなかなか支援物資が届かないことが予想されます。そのためにも普段から防災備蓄品の見直しをお願いしたいです。ナプキンであれば昼用・夜用など使い慣れたもの、またデリケートゾーンを清潔に保つためのウェットティッシュなどがあればより衛生的に過ごせます。そして、備蓄品については3年を目安に定期的に見直すことを推奨しています。

災害時を「非日常」として我慢するのではなく、なるべく日常に近い生活が送れるような備えをしておくことが大切です。備蓄品は災害時だけのためのものではなく「ローリングストック」を習慣にし、災害時でも使い慣れたものが使える環境を整えておきましょう。

「被災地ではなかなかトイレに行けない」「あえて我慢する」「交換しづらい」「ナプキンが2個しかもらえなかった」といった報道も見聞きしております。「取り換えたくても取り換えられない」といった状況があることも心苦しいです。生理への正しい知識と理解を男女問わず様々な世代に広めなければと感じております。

◇    ◇

生理は25~38日周期が一般的と言われていますが、環境の変化や精神的な影響にかなり左右され、ずれることや突然始まることも少なくありません。初潮を迎えて数年は周期も定まりにくく、不順の方は次の予測をすることも難しい。こういったことからも、どんな状況であれ様々なサイズや形の生理用品をストックできていれば安心ですし、どれだけあっても困るものではありません。

災害時にピルで生理を調整することを提案する人もいますが、「全員がピルを飲めるわけではないし、そもそも震災前からピルを飲んでいないと意味がない。早くて小学2年生から生理が始まる子もいる。全ての方が衛生的に使えるのは、ナプキンだと思っています」とささきさんは警鐘を鳴らします。

2月16日時点の発表では、約1万3千人の方が避難所での生活を今も続けておられます。引き続き長期にわたる支援が必要になると考えられますが、女性の生理にまつわる課題や問題が少しずつでも解消されていくことを願ってやみません。

いざという時のため、防災バッグにナプキンやデリケートゾーン用ウェットシートなども追加し、備えておくことが大切。防災バッグすら持ちだせないレベルの災害が起こることも予想されます。避難所となる場所で生理用品が十分常備されているのが当たり前となってほしいものです。

【一般社団法人JOY関連情報】
雑貨店を経営していたささきさんが、テレビで偶然観た「生理用品が買えない方のニュース」をきっかけにトイレで生理用品を配布した事からJOYがスタート。法人化し、生理用品無料配布を入口に「困りごとや生きづらさ」のある人たちを支援・サポートする活動を継続中。函館市内で月1回ご飯を提供するイベント「みんなの居場所ここみカフェ」を開催。
■代表ささきさんX https://twitter.com/MinaMina_h_h
■生理用品無料配布プロジェクト(運営)X https://twitter.com/joy_seiri
■HP https://joy.or.jp/ 

【ユニ・チャーム株式会社関連情報】
■生理のケア&アドバイス https://www.sofy.jp/ja/advice.html
■ソフィソフトタンポン TSSについて https://www.sofy.jp/ja/products/tampon/tss.html
■女性に必要な防災 https://www2.unicharm.co.jp/csr-eco/mystylebosai/woman/

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