こたつの中にこもっている猫は、多頭飼育崩壊からの生き残り 「大変なところにいたんだってな…」抱っこできる日を夢見て話しかける日々

渡辺 陽 渡辺 陽

まる男くん(推定4~5歳・オス)は、ある個人宅にいたが、そこは目を覆うような多頭飼育崩壊を起こしていた。廊下と言わず部屋と言わずケージで溢れていて、家の外にいる猫もいた。飼い主は一人暮らしの独居老人。死亡したため清掃に入った人が猫がいることに気づいたという。

2023年10月、清掃員の男性は猫の保護活動もしていたので、23匹いた猫を、ボランティア仲間と手分けして保護した。清掃員の男性が13匹の猫を引き取り、その中の1匹がまる男くんだった。

慣れるまでのんびり待とう

大阪府在住のKさんは、実家のお母さんから、「家にネズミが出るから猫が欲しい」と言われていた。

「昔から、いつも我が家にはいつも猫が2~4匹いました。母は、また猫を飼いたいと言っていたのですが、高齢なので子猫は難しいと言われ、大人の猫にすることにしました」

Kさんは保護活動をしているwinさんが主催する譲渡会に行ってみた。成猫も何匹かいたが、まる男くんに目が留まり譲渡してもらうことにしたという。

実家にまる男くんを連れてきてもらうと、固まってしまって全然動かなかった。ただ、チュールはかろうじて食べてくれた。名前は、winさんが付けてくれた「まる男」という名前をそのままにした。

12月、まる男くんを迎えると、天井裏や壁の向こうを走っていたネズミは現れなくなった。

まる男くんはビビりで、まだ人に慣れてない。寒くなってからこたつを出したので、中にこもっていることが多い。お母さんは、そんなまる男くんに、「大変なところにいたんだってな…」とか話しかけるのを日課にしている。

「母は、今までの猫と少し違うので戸惑いもあるけれど、慣れるまでのんびり待とうと思うと言っています。私も、もっと慣れて欲しい。抱っこしたいし甘えて欲しいと思っています」

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