2018年のある日、とある民家の近くにときどき出没するオス猫がいました。
その姿はガリガリでボロボロ。近隣の人が「なんとかして助けてあげたい」と、これまで数多くの行き場を失った猫たちを救ってきた団体、LOVE & Co.(以下、ラブコ)に相談。スタッフもその想いに共感し、この猫を保護し、世話をすることにしました。
当初の治療から数年後に判明したコロネの腸炎
後にこの猫につけられたこの名前は「コロネ」。事前に聞いていた話の通り、確かにガリガリでまさに骨と皮状態。よく見れば、筋肉まで削げ落ちてしまっているほどでした。どうしてここまでガリガリになってしまったのでしょうか。
すぐに動物病院で検査。獣医の見立ててでは10歳程度。ウイルス感染などはない一方、肝臓の数値が悪く、胃腸にガスが溜まっている状態でした。点滴のために入院することになったコロネですが、なかなか食欲が戻らず、しばらくの間は強制給餌と経鼻カテーテルで過ごすことになりました。
やがて食欲を取り戻し、自力で食べられるようになるまで回復。ラブコのスタッフは、提携する預かりボランティアさんの家でお世話してもらうことにしました。ゴハンを食べられるようになり、保護当時に比べれば随分回復したコロネでしたが、よく嘔吐することもありました。保護から2年後の2020年に内視鏡検査をしたところ、腸炎が判明。数種類の投薬を受け、現在まで治療を続けています。
病弱ながらも性格は穏やかでマイペース
コロネは穏やかな性格でイタズラもほとんどしません。また、他の猫との同居も可能ですが、どこかおっとりしすぎてマイペース。他の猫がいても全然気にしない性格のようです。かつての野良猫のころはこの性格がマイナスになってしまい、食べ物にありつけていなかったのかもしれません。
ちょっとシャイなところもあり、知らない人を前にすると、部屋の隅っこのほうに隠れてしまうことも。でも馴れてしまえば甘えん坊ぶりを発揮。なでてあげると「ゴロゴロ」と喉を鳴らし、抱っこしてもらうと喜びます。野良猫だった保護猫の中には、警戒心が解けるまでにかなりの時間がかかることもありますが、コロネはその対極です。
昼間は元気に部屋の中で遊び、夜になれば静かに眠ります。猫じゃらしで遊ぶのが大のお気に入りで、預かりボランティアさんが猫じゃらしを振ると、ジャンプして喰らいつくほどに回復しました。
マメな体調管理をしてくれる里親さん募集中
コロネの腸炎の治療は現在も続いており、いまだに1日数回嘔吐してしまうことがあります。そのため、マメな体調管理とお世話をし続ける必要があり、里親希望者さんの条件は、「コロネのケアにしっかり時間をかけられる家庭」だとスタッフは話します。
今も預かりスタッフさんの家で、人間と一緒にのんびりテレビを見ているというコロネ。超まったりの癒し系のコロネに、1日も早くお似合いの里親希望者さんが現れることを願うばかりです。
LOVE & Co.
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