同じに見えて全く違う 岩手県にある二つの「南部地方」 地元民の謎かけ投稿にSNSユーザーが動揺「さっぱりわからない」 

中将 タカノリ 中将 タカノリ

岩手県内の地域の呼称がSNS上で大きな注目を集めている。

「県外の方によく間違われるのですが、左が岩手県南部地方で、右が岩手県南部地方です。」と紹介したのは岩手「県南部」出身の遙嶽さん(@yaoyue00085856)。

遙嶽さんが指摘するのは岩手には岩手・県南部地方岩手県・南部地方と呼ばれる地域があること。しかも一部の地域が重複し、読みはどちらも「いわてけんなんぶちほう」なので、どちらを指しているのか理解することは困難というわけだ。

今回の投稿に対し、SNSユーザー達からは

「これは難部地方ですわ...」
「さっぱりわからない…岩手県 南部地方 岩手 県南部地方 空白の位置が違うと指す場所が全然変わるの?!」
「なるほど。県南と南部地方ですね。南部藩ですかね。」

など数々の驚きの声が寄せられている。

投稿者さんに聞いた

遙嶽さんに話を聞いた。

ーー岩手県民にとっては二つの「南部地方」は当然の認識なのでしょうか?

遙嶽:全ての岩手県民にアンケートを取ったわけではないので個人差はあるにせよ、「南部」は江戸時代の南部藩の領域のこと、というのはよく知られていると思います。特に県南部の人は、岩手であっても南部藩ではないという意識は強いように思います。

ーー岩手県民は「南部地方」をどのように言い分けているのでしょうか?

遙嶽:ここではあえてわかりにくく岩手県南部地方と称しましたが、ややこしいことは認識しているので県南・県北と言い分けたり、イントネーションを、「なんぶ↓」(県南部)と「なんぶ↑」(南部地方)というように使い分けたりしています。

ーー投稿が反響を呼びました。

遙嶽:この図は、シンプルでわかりやすい地図表現を模索している中での試作の一つでした。「岩手県南部」問題は、正直みんな知っていることだと思っていたのですが、意外に知らない人が多かったことにビックリしています。岩手県はもっとアピールしていかなければならないですね。また、なかには『おくのほそ道』から「まづ高館に登れば、北上川、南部より流るる大河なり」を引いてくる方もおり、教養の深さと松尾芭蕉の偉大さを感じました。

◇ ◇

読者のみなさんがお住まいの地域にはこういった紛らわしい地名はあるだろうか?

なお今回の話題を提供してくれた遙嶽さんは日々、SNS上で歴史や地図に関する情報を発信している。その独自の研究はマニアも感嘆するほどのクオリティー。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。 

遙嶽さん関連情報
Xアカウント:https://twitter.com/yaoyue00085856

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