11月上旬、長崎県佐世保市の畑に迷い込んだ2頭のヤギを佐世保署が保護しました。ヤギの拾得は非常に珍しく、署員も驚いたといいます。1週間は署でエサやりなどの世話をし、現在は飼育の知識がある近隣住民が預かっています。
同署によると同月1日、同市田代町の住民から「畑にヤギが2頭一緒にいる」と通報がありました。しばらく様子を見ましたがその辺りから離れる気配がなく、保護することに。首輪などはありませんでした。拾得物として保護され、ひとまず署で面倒を見ることになりました。
署によると、この地域で野生のヤギは見かけないといいます。ただ近隣でヤギを飼っている人をあたっても誰も心当たりがなく、県に正式に登録されている家畜の一覧にもそれと思しきヤギはいませんでした。
警察署員「愛着わいた」
署での世話を主に担当したのは、落とし物の管理などを担う会計課の男性署員(23)。「犬や猫の保護はよくあるのですが、ヤギは初めてで驚きました」と話します。
最も大変だったのはエサ集め。毎朝出勤前に家の畑でビニール袋いっぱいになるまで草むしりをしました。それでも量が足りず、他の署員も協力して署の敷地内の雑草をむしることも。1頭が、青々とした草だけを選んで食べる“グルメさん”だったこともあり苦労したそうです。ネットで「ヤギは綺麗好き」という情報も見かけたため、飼育スペースはこまめに掃除しました。
拾得物としての期限は来年2月6日までですが、署でずっと面倒を見るわけにもいきません。男性署員が引き取ってくれる人を探し、現在は飼育の知識がある近隣住民のもとで預かられています。ヤギが署にいたのは1週間ほどでしたが「愛着が湧いてお別れの時は寂しかった」と男性署員は話します。
なお拾得物の期限を迎えても飼い主が現れなかった場合、ヤギは一度、県の所有に移るということです。県警は引き続き公式Xなどで、心当たりがある人がいないか呼びかけています。